研究課題/領域番号 |
07651097
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
野瀬 卓平 東京工業大学, 工学部・高分子工学科, 教授 (20016405)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1995年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | 界面張力 / ポリマーブレンド / ブロック共重合体 / 臨界点 |
研究概要 |
ポリマーブレンド界面の界面張力に対するブロック共重合体の添加効果はブレンドの偏析の強さに強く依存し、臨界共溶温度から温度を下げていくにつれ界面張力は、一旦増加した後再び減少する。本研究では、この界面張力の極大現象の解明を試みた。界面張力測定には静滴法を用い、液滴プロフィール読取の画像処理の改善、試料部の実験操作改良などを現有装置に加え精度良い測定を行った。ポリスチレン(PS)/ポリジメチルシロキサン(PDMS)ブレンドにジブロック共重合体PS-block-PDMSを添加したブレンド系について、ブレンドの臨界点近傍においてその界面張力-温度関係の極大位置の添加濃度依存性と界面張力-ブロック共重合体濃度関係での界面張力の飽和濃度の温度依存性を調べた。一方、Leiblerの理論、Noolandiの理論の考えをもとにモデル理論を提出しこの極大現象を理論的に考察した。その結果、極大現象はホモポリマーの重合度Pに比較してジブロック共重合体の重合度Nが十分大きいときに見いだされるものであり、N/P<1では臨界点より偏析を強くしていっても極大は現れず界面張力は単調に増加すると考えられることが明らかとなった。理論は実験条件であるN/P=18で極大現象を良く説明し、極大を示す温度は共重合体の濃度の増加とともに臨界点に近づくとの実験結果を再現する。しかし、定量的には高濃度で理論と実験に背理がみられ、これは高濃度においての添加高分子の析出の可能性と理論の不十分さを示唆するもので、今後の更なる研究が必要である。
|