研究課題/領域番号 |
07651114
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
江頭 直義 大分大学, 工学部, 助教授 (90094060)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 電気刺激 / シクロデキストリン / ビオローゲン構造 / 分子集合状態 / 制御 / 包接 / 酸化還元 / 修飾シクロデキストリン / 分子集合状態の制御 / ビオローゲン部位 / ニコチンアミド部位 / 機能性分子 / アゾベンゼン構造 / ニコチンアミド構造 |
研究概要 |
可逆的酸化還元能を有するビオローゲン部位あるいはニコチンアミド部位をアルキル長鎖(n=10)で連結した新規なβ-シクロデキストリン誘導体(1、2)を合成した。いずれの誘導体も液体クロマトグラフィーで精製し、NMRにより生成を確認した。 誘導体1は、'H NMRにより重水中でメチレン部位の包接が示唆され、さらにNOEよりその包接が確認された。サイクリックボルタンメトリーでは、ビオローゲン部位に起因する2段階の可逆的酸化還元波が観察された。興味深いことに第一波の還元ピーク電流値は第二波の30%程度しかなく、さらに第2波の還元ピーク電流値でも理論的に予想される値の70%程度であった。この大きな電流値の減少は、分子間の包接によるオリゴマー様の超分子の生成による拡散係数の減少、第一波と第二波の大きな電流値の差は包接錯体の安定性の違いによると説明することができた。超分子生成は粘度の増加により確認することができた。さらに、第2波電位における定電位電解により溶液の粘度が減少し、この変化は可逆的であった。 誘導体2についてもNMR測定によって非常に安定な包接錯体の生成が認められた。さらに、ニコチンアミド部位による弱い誘起円二色性スペクトルが観察されたことよりこの部位はシクロデキストリンの開口部付近の外部に存在することが明らかとなった。サイクリックボルタンメトリーによる還元波は非可逆であったので電気刺激による検討は行わなかった。 以上より、本シクロデキストリン誘導体は、いずれも特異な分子間包接錯体を形成し、電気刺激によって包接状態の変化が観測されたことより、本研究の目的の大部分を達成することができた。今後、酸化還元により大きな粘度変化をするように分子設計をすることが望まれる。
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