研究概要 |
1.目的 ニンニクは完全不稔植物であるが、研究代表者は二度にわたる中央アジア探索によって、稔性の系統を多数発見した。これらの系統と不稔の系統を用いて、多数のプライマーによるRAPD分析を行い、稔性と関連するRAPDマーカーを見出し、今後の遺伝資源収集および育種に役立てようとするものである。 2.今年度得られた結果 (1)1994年に中央アジアで収集したニンニクは、1995年夏に開花し、42系統中31系統で稔性の花粉が観察された。 (2)稔性と相関するRAPDマーカーが前年の予備実験で見られたが、他の稔性系統で確認したところ、一部の系統で相関がみられなかった。 (3)9系統を用いて、PCRで新たな20プライマーによるRAPD多型性を分析したところ、OP-E5,OP-E7の2プライマーで稔性と相関のあるバンドが2本発見された。その際、本研究費補助金で購入したデンシトグラフは確実性に優れ、時間節約に非常に有効で、多くの大学院生・学部学生が利用した (4)今後、60プライマー用いて、上記の9系統で稔性と関連するRAPDマーカーを探索するとともに、発見されたマーカーで中央アジア収集の全系統を含めた70系統を分析する予定である。
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