研究課題/領域番号 |
07660164
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食品科学・製品科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松村 康生 京都大学, 食料科学研究所, 助教授 (50181756)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | エマルション / ミセル / 脂質酸化 / 不飽和脂肪酸 / リポキシゲナーゼ / タンパク質 / 界面活性剤 / リポソーム |
研究概要 |
脂質を水中に分散した時の酸化安定性が、脂質分子の油水界面におけるコンフォメーションとどのように関連しているのかについて検討を加えた。まず、不飽和脂肪酸を含むトリグリセリドの界面での配向性を、界面圧測定、DSC,FT-IR等の手法を用いて詳しく解析した結果、不飽和脂肪酸は比較的ル-スな状態で界面上でパッキングされていることが明らかとなった。また、結晶性の界面吸着物質を加えることにより界面上での脂質分子の配向性が高まること、またその後の研究により、そのような変化に伴い脂肪酸が酸化を受けにくくなることが示唆された。次に、様々な脂肪酸エステルのエマルション中での酸化の受け易さを比較した結果、脂肪酸の種類というよりも、共存する乳化剤が大きな影響を与えていることが明らかとなった。すなわち、イオン性界面活性剤に比べて、陰イオン性界面活性剤を用いて乳化を行った場合の方が、酸化反応が顕著に抑制されることが示された。一方、タンパク質を乳化剤として用いた場合には、界面活性剤の場合とは異なった様式で酸化反応が進行する事が示された。以上の結果は、脂肪の水中での酸化されやすさは、脂質分子のコンフォメーションそのものより、脂質と界面吸着物質の相互作用によって決定されることを示唆している。そこで、リポキシゲナーゼを用いて、界面上における脂質分子と乳化剤の存在状態と相互作用について検討を加えた。その結果、タンパク質が界面上に存在しても、全ての脂質分子を束縛することは出来ず、束縛されなかった分子は、バルク中の場合と近似したコンフォメーションや移動度を持っていること、そのためリポキシゲナーゼ反応に容易に利用されることが明らかとなった。それに対し、界面活性剤は、界面全体にわたって脂質分子と相互作用し、脂質の酸化をより効率的に妨げていることが明らかとなった。
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