研究概要 |
1.これまでに5回の細胞融合を行い、3種類のモノクローナル抗体(MAb-A,B,C)を得た。このうちでMAb-Cは、Enterobacter,Klebsiella,Proteus,Salmonella,Serratiaとは反応せず、大腸菌に対する特異性が高かった。本抗体はIgG1であり、light chainはκ鎖であった。 2.生菌数測定法構築のための基礎実験として、ニトロセルロースフィルター上に種々の菌数で大腸菌をドットブロットし、ATP assayを行った。2次元光子計数管による測定で、約10^4CFUの菌を検出できた。また、パーオキシダーゼで標識した抗大腸菌抗体MAb-Cをドットブロットした菌体に結合させ、ルミノールによる発光反応(MAb assay)を行った結果、約10^3CFUの大腸菌を検出できた。 3.大腸菌を補集したニトロセルロースフィルターを種々の培地上で35°Cで培養した結果、Nutrient brothで培養した場合に最も検出感度が高く、6時間培養後には1CFUでも大腸菌の検出が可能であった。 4.従来法と本法の相関を調べた結果、ATP assayによるフィルター全体の発光量および、発光基点数と初発菌数との相関はr=0.95および0.89と比較的高かった。また、MAb assayにおける発光基点数と初発菌数との相関は、r=0.76であった。 5.より特異性の高い抗大腸菌抗体および大腸菌群に特異的な抗体を調製するためRecombinant Phage Antibody Systemによる抗体の作製を行っている。
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