研究課題/領域番号 |
07660179
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
神田 リエ 山形大学, 農学部, 助手 (10250961)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ブナ帯文化 / 民話 / 森林 / ブナ帯分化 / 森林資源 |
研究概要 |
本研究は、東北地方の民話に反映したブナ帯文化について調査、検討することを目的としたものである。研究の場所は、東北地方のブナ林一帯であり、なかでも山形県を主な対象地とした。 研究の結果得られた知見はつぎのとおりである。 民話に現われる山・森は、日常の生業、生活と深く関わってきた里山と、神や祖霊あるいは妖怪のいる奥山とに、大きく分けられるであろう。そうした山・森を背景として、柴刈りをはじめ、炭焼き、狩猟、畑仕事など様々な労働に携わってきた人々の様子が民話の中にみられる。それは、近年まで続いてきた農山村の人々の暮らしでもあった。また、民話に現われる樹木としては、人間との関わりの深い樹種が多くみられ、樹木名において地域性が反映していた。 ブナ帯文化は、森林の諸資源を有効に活用してきた、主に山間部に暮らす人々によって維持されてきた。東北地方に伝わる民話を通して、ブナ帯風土の中で暮らしてきた人々の生活や信仰の一端を垣間みることができた。また、自然を壊すことなく、自然の恵みを受けながら自然を再生、循環していたこと、自然への感謝をあらわす素朴な自然信仰が各地でみられた。日本における多様な自然環境が多様な地方文化をうみだし、東北地方においては、その豊かなブナ帯の風土の中で独自の文化が培われてきた。現在、地域資源の保全や後継者不足などの諸問題をかかえ、また縮小の傾向にあるものの、ブナ帯における伝統文化は継承されていることが明らかとなった。
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