研究課題/領域番号 |
07660184
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
蒲谷 肇 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (50012084)
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研究分担者 |
前原 忠 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (10251422)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1995年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ニホンジカ / ニホンザル / シカ防護柵 / 房総丘陵 / 鳥獣保護区 / 植生の変化 / 天然更新 / 生息保護地域 / 萌芽林 / ニホンサル / 森林の環境収容力 / 天然実新 |
研究概要 |
1.シカのための森林保全と森林の改良 千葉県の房総丘陵の鳥獣保護区では、ニホンジカの生息密度が高くなり、採食によって林床植物が破壊され、裸地化しているところが多い。野生動物に相応しい生息環境に改良するために、シカ防護柵を設置した結果、ニホンジカによる食害が皆無となったことから、伐採地における萌芽更新が促進され、林地の保全が達成された。 (1)東京大学千葉演習林東ノ沢の場合 柵設置16カ月後で、柵内の最大樹高はアカガシ113cmで、柵外のそれは、アカガシ54cmであった。柵外では、不嗜好のシロダモを除いて、全ての個体が枯れるのか樹高が低くなった。柵内の出現種数と嗜好性植物の現存量はそれぞれ23種、118g/m^2、柵外のそれらは6種、1g/m^2であった。 (2)東京大学千葉演習林前沢の場合 柵設置10カ月後で、柵で囲わない場所(柵外)と比べて単位面積あたりの木本の平均個体数、木本の種数、最大樹高、植被率、シカの可食部の草本を含めた現存量は、それぞれ8倍、3倍、4倍、15倍、28倍となった。優占種のアカメガシワに限れば、柵内の最大樹高は54cm、1m^2あたりの個体数は13本、柵外のそれは、それぞれ3cm、0.6本であった。 2.サルのための生息環境の改良 千葉県君津市の高宕山天然記念物指定地域のスギ・ヒノキ皆伐地において、天然更新による広葉樹林への林種転換のために、刈りだしの回数の異なる施業を行った。いずれの回数においても、最大樹高に差は見られなく、目的樹種の密度は、7,000本/ha以上であった。皆伐後4,5年のうちに、刈だしを行うことによって、人工植栽と比べて人出のかからない、多様度の高い広葉樹林を造ることができた。
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