研究概要 |
横浜市の屋内公園施設「子どもログハウス」,7施設について、その利用状況,子どもの遊び行動(とくに安全上、問題のある場所)及び部材の劣化状況を測定・観察した。得られた結果は以下の通りである。 1)利用者は平日で300人/日、休日で700人/日にのぼる。転倒防止のため裸足を義務づけられているが、それでも転倒する。床はほとんど木質フローリング仕上げだが、より一層の衝撃吸収性が望まれる。 2)子どもの遊び行動:自然木に近い丸太製の場合は、壁を伝って小屋裏口登る行動もしばしば観察される。つまり、均一な丸棒製のハウスよりも、太さの不揃いな自然木製の方が行動が活発になる。部材によっては転落の危険もあるため、丸太に横穴をあけ、手がかり・足がかりを与える必要のある個所もある。 3)劣化状況:床は住宅用の施工が行あれるが、激しい飛び跳ね行動の繰り返しにより緩み端部の割れ,剥離、段差発生が著しい。階段も同様にがたつく。接合方法の見直しが必要とされる。 現状では、施設維持の担当者によって、布製粘着テープ貼り、パテ充填、釘打ち等の修繕が行われるが、同様の障害が繰り返し発生している。 屋外部では、前期の劣化のほか、腐朽が認められる。ほとんど防腐剤の加圧注入を行っていない針葉樹が使われているので、設置3年後には腐朽が顕著になり、4〜5年後には使用禁止の措置を取っている。エクステリア部では加圧注入処理木材を利用し、しかも水じまいのよい構造に改める必要がある。
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