研究課題/領域番号 |
07660218
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
阿部 勲 三重大学, 生物資源学部, 教授 (20024581)
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研究分担者 |
光永 徹 三重大学, 生物資源学部, 助手 (20219679)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 縮合型タンニン / バニリン-塩酸法 / 燐モリブデン酸法 / 核交換法 / 樹皮タンニンのアルカリ変性 / タンニン質の求核反応性 / 示査走差熱量測定(DSC) / GTase阻害活性 / タンニン系樹脂接着剤 / フラバノールオリゴマーの合成 / 樹皮タンニンの分析 / メチル化-核交換法 |
研究概要 |
縮合型タンニンの高度利用法の開発は低利用樹皮の資源化のための必須条件であり、林業関連分野の活性化に貢献する重要課題である。しかし、タンニン分子の諸特性から、その多価フェノール特性を十分に活用した利用法は確立していない。本研究では、縮合型タンニンを反応性の均質な多価フェノールオリゴマーに変換することを目的として、塩基性条件における変性挙動と変性物の求核性の変化をホルムアルデヒド(HCHO)との反応性を指標として解析した。さらにGTase阻害性に与えるアルカリ変性の影響についても検討し、以下の結果がえられた。 1.縮合型タンニンの調製と構造解析:合成タンニンの適正な調製条件の選定と、重合体の生長機構を明らかにした。また、カテキン酸を高収率で調製した。次いで、タンニン質の呈色反応による性状分析の問題点を指摘し、新たに燐モリブデン酸法および核交換法導入による総合的特性解析法を提示した。 2.縮合型タンニンのアルカリ変性挙動:縮合型タンニンのアルカリ変性挙動を追跡した結果、苛酷な条件程フェノール性の低下やカルボニル基の増大傾向が認められると共に、緩和な温度条件でも異性化のみならず、キノイド型構造への変換やB-環要素の破損を伴うことなどの新知見をえた。 3.アルカリ変性タンニンとHCHOとの反応性:HCHOとの反応挙動を追跡した結果、緩和な条件でえられた変性物は、フェノール性が減少しているにも拘らず反応性の低下が認められなかった。 4.変性タンニンのDSCによる付加・縮合・硬化反応の追跡:タンニン質を高反応性ノボラックとみなす必要があるため、加熱下での一連の反応をDSCによって解析することとし、その妥当性を明らかにした。次いで、DSCでHCHO水溶液としたアルカリ変性物の求核性を追求し、塩化性溶液による処理はタンニン質のの反応性向上手段として有用であることを認めた。 5.アルカリ変性タンニンのGTase阻害活性:アルカリ変性物のGTase阻害活性は未変性物より低下しており、B-環の水酸基パターンが著しくGTase活性を阻害することを確認した。
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