研究課題/領域番号 |
07660227
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
上田 宏 北海道大学, 水産学部, 助教授 (00160177)
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研究分担者 |
帰山 雅秀 水産庁, 北海道さけますふ化場・調査課, 研究室長
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ヒメマス / ベニザケ / 母川回帰 / バイオテレメトリー / 視覚 / 嗅覚 / 太陽コンパス / 体内時計 |
研究概要 |
サケの母川回帰機構を解明するため、陸封型のヒメマスと降海型のベニザケの母川回帰行動をバイオテレメトリーにより追跡して、以下の解析を行った。 1、洞爺湖のヒメマスが地形を記憶していることにより直線的に母川回帰できるのか否かを調べるため、支笏湖の産卵場に回帰したヒメマス(雄6個体・雌1個体)を洞爺湖に運搬して放し、晴天の日にバイオテレメトリーにより追跡した。全個体が迷走行動を示し支笏湖の方向に回帰したヒメマスはいなかったが、ある程度の直線的行動を示した。また、3個体(雄2個体・雌1個体)は支笏湖の産卵場の方向とは無関係の同じ地点に回帰した。 2、太陽コンパスの関与を調べるため、曇天の日にヒメマス(雄1個体)を放したところ、放流地点から殆ど動かなかった。 3、嗅覚妨害処置(熱湯で嗅上皮を火傷させる)を行ったヒメマス(雄2個体・雌1個体)は、放流地点付近をわずかに動くのみであった。 4、美々川に回帰したベニザケ(雄1個体)を捕獲して、母川河口から50km・海岸より7km離れた太平洋に放し回帰行動を追跡したところ約3kmまで海岸に近付いたが、母川には回帰しなかった。 以上の結果、ヒメマスは直線的行動を示すことが明らかになったが、視覚のどのような機能によりその直線性が発現されるかは今後の検討課題として残された。また、今回の嗅覚妨害処置では、母川回帰本能をも消失させる可能性があり、今後の他の嗅覚妨害処置により検討する予定である。さらに、降海型のベニザケは実験例数を多くして再検討されなければならない。
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