研究課題/領域番号 |
07660237
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
瀬川 進 東京水産大学, 水産学部, 教授 (30092589)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1996年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | アオリイカ / 頭足類 / 集団遺伝学 / アイソザイム / 種分化 / 生物地理 / 個体群 / 分布 |
研究概要 |
日本を北限として、東南アジア沿岸、オーストラリア北部まで分布するアオリイカSepioteuthis lessonianaは、研究代表者らによる生態学的および生化学的研究の結果、産卵生態などで遺伝的に隔離されており、生化学的にも遺伝的に独立していると考えられるシロイカ、アカイカおよびクアイカの3種類に分けられ、これらの差は種レベルであると考えられた。 この3種類は、従来は形態学的に識別できなかったが、本研究において生化学的に識別された標本の精査から、ロ-ト表面の色素胞の種類と配列により明確に識別できることが明らかになった。これにより、今後3種を識別し、水産的にも重要なアオリイカの資源学的な情報を得ることが可能になった。 生化学的な手法および色素胞による識別により分布を調査したところ、以下に示すことが明らかになった。 1)シロイカはこの3種の中で最も分布範囲が広く、主に沿岸浅海域で産卵し、一卵嚢中の卵数は3-8個である。日本海側では青森県以南の富山、京都、山口など、太平洋岸は千葉県以南の千葉、静岡、徳島、鹿児島など、さらに、伊豆大島、八丈島、小笠原、奄美大島、琉球諸島に、海外ではフィリピン、インドネシア、タイに分布する。このイカは熱帯から温帯域の沿岸依存性の高い種である。 2)アカイカは最も大型になり、産卵場はシロイカより深く、1卵嚢中の卵数が5-13と多い。確認された分布域はシロイカより南方で、八丈島、徳島県、奄美大島、琉球諸島およびフィリピンであることから、このイカは暖水性でシロイカより沖合に分布する傾向が示された。 3)クアイカは3種の中で最も小型で、産卵場は珊瑚礁内の浅海に限られ、1卵嚢中の卵数は2個である。確認された分布域は現時点では奄美大島、小笠原、沖縄を中心とした琉球諸島限られている。このイカは熱帯から亜熱帯の珊瑚礁に依存して進化してきたものと考えられた。
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