研究課題/領域番号 |
07660252
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
藤田 雄二 長崎大学, 水産学部, 教授 (80039726)
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研究分担者 |
飯間 雅文 長崎大学, 水産学部, 助教授 (80202836)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 有用海藻 / 紅藻類 / 無菌化処理 / カルス組織 / 脱分化 / 再分化 / 種苗生産 |
研究概要 |
本研究によって得られた主な成果は次の通りである。 1.組織培養に必須である有用紅藻類の葉体片の無菌化には、葉体片を0.1%家庭用洗剤を添加した滅菌海水中で洗浄した後、1Nヨウ素液を0.02-0.05%添加した滅菌海水に5-10分間浸漬し、続いて抗生物質混合液を添加した滅菌海水に48時間浸漬することが最とも効率的であった。 2.無菌化処理した有用(主に食用)紅藻類13属21種類の葉体片から脱分化したカルスの誘導を試験した結果、トサカノリ、オオムカデノリ、ツルツルなど計15種類でカルス組織の誘導に成功した。カルスの誘導・成長のための基本培地及び温度・光条件は種類によって異なるが、ASP12NTA合成培地、温度20℃、光強度10-20μE/m^2/sは多くの種類に適した。カルス成長に対する培地組成について検討した結果、植物ホルモンのオーキシン・サイトカイニン、しょ糖などの添加によってカルスの成長が促進されることが明らかになった。これらの結果に基づいて作製した培地によって、トサカノリ、オオムカデノリなど計6種類のカルスの継代培養が可能となった。 3.カルスの小塊をPES補強海水培養液に入れ、カルス誘導に適する温度・光条件よりも高い温度と強い光強度の条件下で送気培養を行った結果、トサカノリなど計8種類のカルス組織から葉体が再生された。 オオムカデノリとツルツルのカルスをクレモナ網に着生させ、またトサカノリとコメノリのカルスからの再生幼葉体を網に挟み込み海に吊し試験養殖を行った結果、4〜5カ月後にはいずれの種類においても天然産と同様の葉体が得られた。 以上により複数の紅藻類における組織培養系が確立され、その応用として組織培養技術による養殖のための種苗生産が可能であると判断された。
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