研究課題/領域番号 |
07660257
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
|
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
橘高 二郎 東京理科大学, 総合研究所, 教授 (20050346)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | タラバガニ / ハナサキガニ / ゾエア / グロコトエ / Thalassiosira / 口部付属肢 / 消化器官 / non-feeding stage / 前胃 / 中腸腺 |
研究概要 |
タラバガニ・ハナサキガニ・アブラガニは日本の北洋域に生息する重要な十脚甲殻類(異尾類)であるが、資源の減少が深刻な問題になっている。エビ・カニ両群の中間型に分類される異尾類の生理・生態はあまり研究されていない。タラバガニ類はゾエアで孵化し、グロコトエに変態するが、本研究では飼育により特徴ある初期生活史、すなわちグロコトエ期がnon-feedingであることを確認すると共に、各発育段階の個体について口部付属肢・前胃の形態変化、中腸腺における脂肪蓄積の動態を調べ、この特徴が幼生の生残率、成長に与える影響を検討して本種の種苗精算に必要な基礎的知見を明らかにした。1.ゾエアは強い大顎と刺毛の密生した小顎、多数の刺毛と濾過装置のある前胃を備えプランクトンの捕食に適している。グロコトエの大顎には石灰沈着はなく原基的、小顎・顎脚および前胃の刺毛は退化し、捕食に適さない。稚ガニは強大な大顎、刺毛のある小顎・顎脚、特に冠状棘の発達した座節のある第三顎脚、および胃臼・側歯の形成された前胃を備え、堅い食物の摂餌に適している。2.脂肪の蓄積はゾエア、グロコトエ共に中腸腺・中腸腺盲嚢・中腸の前腸よりの部位に集中的にみられた。変態後、中腸腺盲嚢は縮小し、グロコトエの中腸腺・中腸は伸張する。初め中腸腺細胞の腺腔側に局在していた大型の脂肪滴は後期には小さくなり、体腔側に分散した。かかる脂肪滴の挙動はグロコトエnon-feedingに関係していると考えられ、さらに研究が必要である。3.明るい室内、水温8-9℃で珪藻Thalassiosira sp.をArlemiaと併用した場合のグロコトエは比較的大型(体重4.6mg)で多量の脂肪(0.33mg)を含有していた。ThalassiosiraはEPAの多い18%(乾重)の脂肪を有し水温・照度の好適条件では栄養強化に極めて有効な餌料である。
|