研究課題/領域番号 |
07660263
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産化学
|
研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
大島 敏明 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (70134856)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | ハイドロパーオキサイド / ホスファチジルコリン / diphenyl-1-pyrenylphosphine / 高速液体クロマトグラフィー / 蛍光分析 / 血漿 / 血球 / 魚 / diphenyl-1-pyrenyl phosphine / ホスファチヂルエタノールアミン / ニジマス |
研究概要 |
6種の養殖魚の血漿及び血球中のPC-OOH含量は同一魚種でも個体間で大きく異なった。さらに、魚種間においても異なる傾向を示した。すなわち、血漿中のPC-OOHはニジマスでは128-274pmol/mlで最も低い値を示したのに対して、最も高いヒラメでは219-505pmol/mlであった。ハマチ血漿で40.5-119pmol/mlと低めだった他は、スズキ、コイ、ヒメマス血漿の何れも200-400pmol/mlの範囲であった。一方、血球ではニジマスとハマチで各々19.4-34.6pmol/ml bloodおよび24.6-50.6pmol/ml bloodで低く、その他の魚種の血球のPC-OOHの含量は高い傾向が見られた。魚種間のPC-OOH含量を直接比較することは困難であるが、このようなPC-OOH含量の相違が生じる一因として、餌由来の過酸化脂質の影響が考えられた。血球中のPC-OOH含量を魚種間で比較するために、血球10万cell当りのPC-OOH含量を測定した。イシダイ血球で5.4〜6.2pmol/10万cellと供試した魚種の中で最も高いレベルを示した他は、ハマチ、カンパチ、ヒラメおよびマダイで1.7〜3.7pmol/10万cellとほぼ同様なPC-OOH含量が得られた。しかしながら、肝臓においてはヒラメで174〜206pmol/gと低かった他に、魚種間でPC-OOH含量の差が大きかった。リン脂質は細胞膜の構成脂質であり、魚種間でその含量はほぼ一定している。肝臓におけるリン脂質含量も魚種間でその含量はほぼ一定していると考えられる。上述のように、PC-OOH含量は血球で一定で肝臓で異なるのは、肝臓における蓄積脂肪の含量が異なるためと考えられた。脂質含量の低い飼料で飼育したニジマスは市販の飼料で飼育したニジマスに比べて成長が遅かった。個体間で差はあるものの、血漿と血球の何れにおいても両試験魚の間でPC-OOH含量に有意の差が見られた。同様の脂質含量の低い飼料で飼育した他のニジマスの血球数は96 x 10^4〜151 x 10^4cell/mlで普通の餌で飼育したニジマスのそれと大きな違いは見られなかったことから、脂質含量の高い飼料で飼育したニジマスの血液成分中に過酸化脂質の含量が高かったのは、飼料中の脂質過酸化物が体成分に移行したか、あるいは不飽和脂質の摂取量が多かったためと考えられた。
|