研究課題/領域番号 |
07660279
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産化学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
内田 直行 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (80151885)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | ティラピア / オオクチバス / ナマズ / コイ / 血漿フィブロネクチン / 細胞結合フラグメント / 簡易同定法 / 分離精製 / テラピア / 細胞結合ドメイン / ウナギ / フィブロネクチンレセプター / テラピアン / 機能ドメイン配列 / ニジマス |
研究概要 |
魚類フィブロネクチン(FN)による魚類肝細胞の接着・伸展促進および形態維持機構を解明するため、ティラピア、オオクチバスおよびナマズの血漿FN(pFN)の精製と性質を検討した。また、pFNの細胞結合ドメインの研究を可能にするため、コイpFN(CpFN-Iおよび-II)を中心に、機能ドメインの同定、細胞結合ドメインの簡易同定法および精製法について検討した。さらに、肝細胞のFNレセプターについても検討を加え、次の結果を得た。 1.3魚種の血漿には、コイの2種pFNと同様な分子形のFNが存在し、ペプチドマップの差から一次構造の魚種間差が確認できた。 2.CpFN-Iのドメイン配列はウシpFNなどと類似していたが、CpFN-IIはヘパリン結合ドメインをもたないなどの特性を示した。 3.CpFN-Iに結合できないティラピア肝細胞がプロナーゼ分解CpFN-Iに結合できるようになることなどから、魚類pFNの細胞結合ドメインには種特異性を決定する部位が存在する可能性があり、この部分の構造解析が魚類pFNと肝細胞の相互作用機構の解明に重要であると考えられた。 4.細胞結合ドメインの簡易同定法として、酵素消化断片を転写した膜上でウナギ肝細胞を培養し、酵素抗体染色法により可視化する方法が有効であり、この方法により、3魚種pFNの細胞結合ドメインの種間差が確認できた。 5.ゲルろ過およびODSカラムによるHPLCにより、CpFN-Iの細胞結合フラグメントのうち少なくとも3種類が分離できた。 6.抗インテグリン抗体をプローブとするウエスタンブロット法により、ウナギおよびニジマス肝細胞におけるFNレセプターの分布が異なることを確認できた。 以上の結果から、本研究により、魚類のpFNとFNレセプターにおける顕著な種間差と両者の相互作用機構を解明するために検討すべき焦点を明確にし、そのための簡易な手法を開発できたものと考えられる。
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