劣悪な牛舎・パドック環境は、牛に対するストレス、酪農家の日常作業への影響、一般消費者に対するイメージダウン等々、様々な弊害をもたらす。そこでパドック排水改善のため暗渠排水を施工し、その改善をおこない、現在、農村地域で問題になっている、酪農排水による小河川の汚濁問題解決にも役立つことの立証を前提にこの研究を行った。 昨年度は、酪農家周辺の河川の水質を中心に調査を行ったが、本年度は暗渠排水管を用いたパドック排水改良施工後の5年間におけるパドックの排水状況を調査するため、パドック土壌の水分状態、透水性、観入深さの試験を行い、この工法の検証を行った。 その結果、パドック土壌は施工直後に比べ、土壌水分、透水性、貫入深さどの項目においても、若干の劣化が確認されたが、施工前と比較すると排水効果が持続されていることが確認できた。 また、その劣化の原因としては、酪農家自身で行っているパドック表面土壌の置換客土の土質が原因であることが分かり、適切な維持管理さえ行えば、この工法によってパドックの排水改良が充分行えることが分かった。
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