研究課題/領域番号 |
07660315
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
農業土木学・農村計画学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉野 邦彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (60182804)
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研究分担者 |
山路 永司 (山路 英治) 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (10143405)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 水稲 / 分光反射率 / Remote Sensing / 反収量推定 / 米の反収量 / 分光反射 / リモートセンシング / 水稲個体群 |
研究概要 |
本研究では水稲の構造と分光反射率との関係を明確化するために、研究初年度は、分光反射メカニズムの理論考察を行った。そして、分光反射メカニズムの理論考察から導き出された分光反射モデルによる水稲個体群分光反射率をシミュレートして、水稲個体群の分光反射率の実測値と比較し、両値は相関係数0.8程度の正の相関関係にあることが見出された。すなわち、水稲個体群のような複雑な幾何学的構造を持つ植生個体群の分光反射率は、その構造も考慮して理解する必要があることが明らかになった。さらに、数種類のシミュレーションより、条件が整えば、水稲個体群の構造指標(葉面積指数、平均葉傾き関数等)が分光反射率データの分光反射メカニズムのモデルによる逆解析によって、逆推定可能であることが示唆された。 研究2年目には、研究初年度の前述の成果を、より大きなスケールでの検証実験を行うべく、実圃場での実測値による検証実験を行った。そのために東京大学農学部付属農場内(田無農場)の実験水田に栽培した登熟期の14品種の水稲について、盛夏から初秋にかけて、その水稲個体群の草冠直上からの分光反射率と水稲個体群の構造の測定・鉛直立体写真撮影、ならびに、水稲の草丈、乾物重等の生長指標測定を、計4回行った。品種の選定に当たっては、その背丈や葉の形状、草型の特徴を考慮して、背丈や草型の変化に富むように選択した。これらの水稲は、苗3本の25cm格子間隔の正方植えで移植し、通常量の肥料を施用し、通常の水管理状態で栽培した。その結果、背丈については、最高草丈70cm程度の水稲から130cm程度の品種までを栽培することができた。 分光反射率は、初年度新規購入したオシャンリサーチ社製のスペクトルメータを用いて、400nmから1110nmまでの波長帯で約2nmの分光解像度で水稲の草冠直上や斜め方向からの分光反射率、個葉の分光反射率を測定した。撮影したステレオ写真は、解析写真測量用に現像・焼き付けした後、イメージスキャナーでデジタル画像化し、植被率・葉面積指数を算出した。以上の水稲の個体群の分光反射率データと構造に関するデータの相関関係を分析した。個葉の分光反射率については、品種による差はほとんど認めらえなかったが、草冠直上の個体群からの分光反射率には、大きな差が認められた。 本研究の成果より、水稲個体群の分光反射率データから、水稲個体群の構造指標や生育状況についての定量的な把握は可能であるとの知見を得た。
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