研究概要 |
実験材料としてタバコならびに細胞のモデル実験としてガラスビーズを用いた。ガラスビーズの径は0.1mmで、実際の培養細胞とほぼ同じサイズである。タバコ細胞は、培地100mlを含む300ml容フラスコを用いて、25℃、120rpm暗条件で培養を行った。 オフライン計測用のセルでの計測では超音波センサの周波数は0.5,1,2,3,5,7MHzで、実際の培養器を用いた実験では1,2,3,5MHzの4種類で行った。オフライン用のセルはアクリル性で、実際の培養器はステンレス製で、超音波センサを培養器の側面に取り付けた。オフライン計測の結果では、ガラスビーズを用いた実験では3MHz以上ではビーズの重量と減衰率がr^2=0.99以上相関値で直線性を示した。一方周波数特性としては、2MHz以上で直線性が認められた。タバコ細胞を用いた実験結果では2〜5MHzで直線性が認められた。5、7MHzでは直線性が良くないが、音波が減衰するため計測時の読みとり誤差が生じたためと考えられる。実際の培養器での実験では、ガラスビーズの重量と超音波の減衰量との関係は、2、3MHzでは直線性がよいが、5MHzでは内容量が多くなると読みとり誤差が大きくなり、直線性が悪くなった。また、周波数特性もオフライン計測の結果と同じ傾向を示し、本培養器においても超音波計測の有用性が確認できた。これらをまとめると、最良のセンサ周波数は音波の通過性を考慮すると、3MHz前後のであるように思われる。
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