研究課題/領域番号 |
07660368
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用動物科学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
佐野 宏明 岩手大学, 農学部, 助教授 (20196306)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ヒツジ / 寒冷暴露 / グルコース代謝 / グルコースクランプ法 / 採食 / インスリン / グルカゴン / 血流量 / グルコース / めん羊 / 後肢 |
研究概要 |
めん羊において生体全体の血液グルコース代謝回転速度に対する後肢でのグルコース取り込みの割合に及ぼす寒冷暴露の影響を明らかにするために[U-^<13>C]グルコースの同位元素希釈法と動静脈差×血流量法を同時に実施した。測定は常温環境および寒冷暴露5日目に行った。生体全体の血液グルコース代謝回転速度は常温および寒冷暴露時に1.56、1.91mg/kg/minであった。後肢におけるグルコース取り込みは0.79、1.19mg/kg/minであり、それぞれ生体全体の代謝回転速度の50.61%に相当した。本実験では寒冷暴露時の血液グルコース代謝回転速度の増加は有意ではなかったものの、これらの結果は、めん羊において寒冷暴露時に後肢にによるグルコース取り込みの貢献度は増加することを示している。 次に、めん羊において採食に伴う血液グルコース代謝動脈、血漿インスリン、グルカゴン反応の変動に及ぼす寒冷暴露および給与飼料水準の影響を明らかにするために、採食の前後に【U-^<13>C】グルコースの同位元素希釈法と経時的な採食を実施した。測定は常温環境および寒冷暴露3〜4日目に行った。血液グルコース代謝回転速度は常温よりも寒冷暴露時に高く、自由採食群が制限給餌群よりも高い傾向を示した。また、採食に伴ってはいずれの群においてもほとんど変化しなかった。採食に伴う血漿インスリン反応は主に飼料条件の影響を受け、血漿グルカゴン反応は主に環境条件の影響を受けることが示された。また、両ホルモンの相対的なバランスを示すインスリン/グルカゴンモル比は体内の代謝調節を反映する指標により得るものと考えられた。 さらに、めん羊においてインスリン作用および感受性に及ぼす寒冷暴露および給与飼料水準の影響を明らかにするために、グルコースクランプ法のEGC法(Euglycemic Clamp Technique)を実施した。測定は常温環境および寒冷暴露8日目に行った。グルコース注入速度は常温時よりも寒冷暴露時に高く、自由採食群よりも制限給餌群で高かった。最大のグルコース注入速度は寒冷暴露時に高かったが、給与飼料水準によって変化しなかった。50%最大グルコース注入速度の血漿インスリン濃度は、寒冷暴露時に低い傾向を示し、飼料給与水準による差は認められなかった。したがって、めん羊において生体全体のインスリン作用および感受性は寒冷暴露によって影響されることが示唆された。これに対して、生体全体のインスリン作用および感受性は制限給餌によって影響されるという証拠は得られなかった。
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