研究課題/領域番号 |
07660381
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用動物科学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
園田 立信 宮崎大学, 農学部, 教授 (00040866)
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研究分担者 |
牧村 進 宮崎大学, 農学部, 教授 (80003127)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 豚 / 行動 / 行動異常 / 精神障害 / 家畜福祉 / 発酵床豚舎 / オープンフィールドテスト / 転位行動 / 異常行動 / 精神異常 / 家畜健全性 / 発酵床養豚 / オープンフィールド / 管理 |
研究概要 |
豚は、鼻と口で探索や操作を行って報酬を得るという進化を遂げてきた。しかし、昨今のコンクリート床の標準的環境では、探索し操作する対象は無く、生まれつきの本能行動を発現できない。そのかわり、豚は、眼前の対象に対して異常な口鼻行動が出現させている。 本研究では、まず、異常な口鼻行動の出現実態を各種の飼育環境間で比較し、次に、異常行動を示す豚における精神的状況を推進できる実験を積み重ねた。 標準床・オガクズ発酵床・放牧草地における肉豚の行動を比較した。放牧と発酵床では鼻による穴掘りが見られたが、標準床では常同化した床こすり、他個体マッサージ等の異常な鼻操作行動として出現した。同時に、異常口操作である真空咀嚼,他個体突起部(尾、耳、等)くわえも出現した。なお、常同化した臭い嗅ぎが標準床で異常に多く出現した。 しかしながら、ストレス指標となる白血球比と異常口鼻操作回数との間には負の相関が、異常口操作回数と増体との間には正の相関があり、異常口鼻行動発現の意義は、欲求不満の解消である可能性が示唆された。 これらの豚でオープンフィールドテストを行うと、標準床の豚は無反応で自失状態にあった。しかし、発酵床の豚は正常な探索行動を行い、心拍数も増加した。またバケツ落下に対して、標準床の豚は全く反応しなかったが、発酵床の豚は驚愕反応(心拍数増加)を示した。 最後に、ケージ飼育と放牧の豚の休息睡眠中の心拍数と脳波を予備的に調査した。ケージ豚は異常に長時間睡眠し、その場合の脳波は浅い睡眠波形が多く、心拍数も多い傾向にあった。放牧豚では、休息睡眠は少ないが、深い睡眠波形が多く出現し、心拍数も少なかった。これらの結果は、ケージ飼育豚はエネルギー消耗型の休息状況にあることを示唆している。 集約的管理下の豚は、生得的口鼻行動が抑制されるので、転位行動の異常口鼻操作を頻発させ、欲求不満の解消を行うが、エネルギー消耗的な生活である可能性が示唆された。
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