研究課題/領域番号 |
07660401
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
大島 浩二 信州大学, 農学部, 助教授 (20111784)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1995年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 松果体 / 寒冷曝露 / 生殖腺 / 機能形態 / ニワトリ / セロトニン / ライソゾーム / ニワトリ松果体 / 組織化学 / 気温 / 酸性ホスファターゼ |
研究概要 |
これまで筆者は鳥類の松果体の機能形態と光刺激との関連性について追究してきたが、近年、カナヘビ松果体細胞の有芯小胞やライソゾーム等の分泌性構造が環境温度に相関して生殖腺機能とともに季節変動することを明らかにした。そこで本研究では、成鶏を用いて、寒冷曝露による松果体細胞の微細構造、酸性ホスファターゼ(AcPase)活性、セロトニンの免疫反応等の変動、さらに生殖腺の機能形態に及ぼす影響について比較検討した。 寒冷曝露された成鶏松果体の微細構造は幾分不活発な様相を呈し、AcPase活性陽性を示すライソゾームの大部分は直径1.0μm以下の小形のものであり、しばしば、脂肪様小滴の周囲にも陽性反応がみられ、セロトニン陽性反応を示す顆粒状構造物はやや減少しており、明暗光周期の暗期のものに類似していた。また、生殖腺機能に関しては、寒冷曝露によって、産卵中の雌成鶏では産卵率が幾分低下したものの最後まで産卵を継続し、雄成鶏では精巣の平均重量がやや低下したものの有意差は認められなかった。このように、本研究において、-5〜10℃の寒冷曝露を1ケ月間行った結果、松果体細胞の微細構造およびライソゾームのAcPase活性、セロトニンの免疫反応などに関して、機能的にやや不活発な傾向がみられたが、カナヘビのものほど顕著ではなかった。しかし、成鶏松果体では有芯小胞が極めて少ないため、それらの数量の変動による分泌機能に対する寒冷曝露の影響を明らかにすることができなかった。また、この程度の寒冷曝露では、鶏は通常の生理的反応のみで低温環境に対応でき、視床下部-下垂体-生殖腺系にほとんど影響を及ぼさなくて済むような十分な熱を体内で産生出来る強力な生理的調節機構を有するのであろう。今後、さらに低温で、長い期間寒冷曝露を行い、松果体細胞の微細構造とともにライソゾームの役割、特にインドールアミンや脂質の代謝との関連性について検討しなけらばならない。
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