研究課題/領域番号 |
07660407
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
竹内 正吉 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (00171611)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ホスホリパーゼA_2 / アセチルコリン放出 / Ca^<2+>非依存性膜融合 / モルモット回腸壁内神経叢 / ラット脳シナプトゾーム / Autoinhibition / Protein Kinase C / アラキドン酸代謝 / モルモット回腸壁内神経常 / Protein kinase C / プロテインキナーゼA / cyclic AMP / ラット唾液腺 / 膜融合 / アミラーゼ分泌 |
研究概要 |
モルモット回腸壁内神経叢からの受容体刺激によるアセチルコリン放出が、ホスホリパーゼA_2(PLA_2)の活性化により遊離されるアラキドン酸から生合成されるプロスタグランジンにより、神経細胞内のcyclic AMPの増加、それに続くprotein kinase Aの活性化を介して調節されていることを示唆した。更に、シナプス前膜に存在するムスカリン受容体の活性化によるアセチルコリン放出の抑制にはホスホリパーゼC-protein kinase Cの抑制が一部関与していること、アトロピン存在下での遊離やprotein kinase Cの活性化により生じる遊離がPLA_2阻害剤により著しく抑制されることからprotein kinase CがPLA_2の活性を調節していることを示した。これらの結果より、PLA_2の活性化と結果としての代謝産物が神経伝達物質放出機構の重要な因子であり、生体内活性物質による遊離調節の一部はこの酵素活性を制御することによることが明らかとなった。また、ラット脳からシナプス前膜とシナプス顆粒をそれぞれ別々に単離し、膜標本にCa^<2+>存在下にPLA_2を処理しシナプス顆粒と混ぜ合わせたところ、膜融合とアセチルコリン遊離がCa^<2+>非依存性に生じるが、無処置の膜標本を単純に混ぜ合わせただけでは反応が認められないことを明らかにした。更にアラキドン酸はPLA_2の作用に相乗的に働くことも認めた。内分泌組織である耳下腺標本でも膜融合とアミラーゼ分泌にPLA_2の活性化が関与していることを示した。これらの結果は、PLA_2は神経伝達物質の遊離や分泌において、その最終段階である膜融合時に機能していること、Ca^<2+>の活性化に必要であることを示唆している。以上、神経伝達物質放出から内分泌に至る生体内の物質遊離機構に、PLA_2の活性化およびその代謝系が広く関わっていることが明らかになった。
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