研究課題/領域番号 |
07660409
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
林 正信 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (10130337)
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研究分担者 |
荒井 惣一郎 酪農学園大学, 獣医学部, 講師 (40151138)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | LECラット / 放射線高感受性 / 放射線抵抗性DNA合成 / DNA2本鎖切断修復異常 / G1アレスト欠損 / p53 / 細胞周期 / 薬剤感受性 / ブレオマイシン / DNA組み換え / 株化細胞 |
研究概要 |
LECならびに対照のWKAHラットから細胞株を樹立し、以下のような結果を得た。 1.樹立された全てのLECラットの細胞が対照のWKAHラットの細胞よりも生存率においてX線高感受性を有するが、DNA合成では抵抗性である。 2.LECラットの細胞はアルキル化剤やDNAに架橋を形成するマイトマイシンCなどに対してもWKAHラットの細胞よりも高感受性である。また、ブレオマイシンに対してもLECの細胞は感受性が高く、ブレオマイシン誘発DNA2本鎖切断の修復速度はLECでWKAHの細胞よりも有意に遅い。 3.正常細胞で見られるX線照射後のG1期からS期への進行の一時的な停止、すなわちG1アレストがWKAHの細胞では認められるが、LECの細胞では起こらない。 4.G1アレストに重要な役割を果たしている癌抑制遺伝子p53タンパク質の発現はWKAHの細胞では照射後1〜2時間で増加するが、LECの細胞では照射後の増加は認められない。 5.紫外線照射に対して生存率ではLECとWKAHの細胞の間に差は認められないが、DNA合成についてはLECの細胞でWKAHの細胞よりも抵抗性である。 X線等DNA損傷因子が作用すると、G1期でp53タンパク質が一時的に高発現し、S期への進行が停止する。このG1アレストはDNA損傷を修復する重要な過程である。本研究は、LECの細胞でこの過程が損なわれていることを示し、この細胞周期の調節異常の遺伝子とX線高感受性の支配遺伝子とは別であることを示唆した。さらに、DNA2本鎖切断の修復過程にも異常があることを示し、DNAの組み換え異常との関連性を強く示した。
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