研究課題/領域番号 |
07660424
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
山手 丈至 大阪府立大学, 農学部, 講師 (50150115)
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研究分担者 |
田島 朋子 大阪府立大学, 農学部, 助手 (90173145)
木曽 康郎 大阪府立大学, 農学部, 講師 (10142374)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 悪性線維性組織球腫 / 間葉系始祖細胞 / 間葉系腫瘍 / 筋線維芽細胞 / 組織球 / 組織発生 / 多分化能 / ラット実験モデル / 悪意線維性組織球腫 |
研究概要 |
悪性線維性組織球腫(MFH)の組織発生は未だ明らかにされていない。本研究課題において、ラットMFH由来クローン細胞(MTー8;未熟な間葉系細胞、MT-9;組織球と線維芽細胞の双方の特性を有する細胞)を用い、その組織発生を実験病理学的に検討し、興味ある成績を得た。 1.MT-8及びMT-9細胞の培養液に、マクロファージの機能を活性化させる高脂血清あるいはリポポリサッカライドを添加すると、これら細胞は組織球の特性を増強した。 2.MT-8及びMT-9細胞から抗癌剤であるシスプラチンに対する耐性細胞(MT-R8及びMT-R9)を誘導し、その特性を多角的に解析した。その結果、MT-R8及びMT-R9細胞は、組織球と(筋)線維芽細胞の双方の性格を増強させ、さらにMT-R9細胞の同系ラットにおける誘発腫瘍には、筋線維芽細胞及び顆粒細胞の腫瘍性増殖部位、並びに骨肉腫様部位や脂肪芽細胞の混在部位が観察された。 3.MFHに存在する組織球様細胞の由来とラット組織球特異抗体に対する免疫染色性について検討し、MFHに存在するいわゆる組織球様細胞は多彩な細胞から成ることを証明した。 4.MT-8細胞に特異的なモノクローナル抗体を作製し、その染色性を検討したところ、MFH細胞と未熟な間葉系細胞及びマクロファージ系細胞との間には共通抗原があることが分かり、MFH細胞の性格の多様性が明らかにされた。 5.ラットの組織球性肉腫、線維肉腫及び悪性髄膜腫由来の培養細胞を確立し、その細胞学的特性をMFH細胞のそれと比較した。その結果、MFH構成細胞の性質は、他の間葉系腫瘍のそれと明らかに異なることが分かった。 6.以上の成績に基づき、MFHの組織発生について考察した。MFHは未分化間葉系細胞から組織球と線維芽細胞の双方の性格を現す細胞から成り。これら細胞は微小環境条件あるいは遺伝子レベルの変異により多分化能を示すことが考えられた。MFH細胞は間葉系の始祖細胞と言える。本研究課題で、確立された培養細胞株は、MFHの組織発生のみならず間葉系腫瘍の分化様式を解明する上でも有用である。
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