研究課題/領域番号 |
07660440
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用分子細胞生物学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
川北 一人 名古屋大学, 農学部, 助手 (90186065)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | アクチン / アクチン結合タンパク質 / 塩基性キチナーゼ / オスモチン様タンパク質 / 感染応答 / 細胞骨格 / ジャガイモ |
研究概要 |
植物の感染応答における細胞骨格系の関与を明らかにするため、ジャガイモ疫病菌感染ジャガイモ細胞や菌体エリシター処理ジャガイモプラストで認められる原形質凝集反応の解明を試み、以下のような研究成果を得た。1)原形質凝集反応を起こしたジャガイモ懸濁培養細胞あるいはプロトプラストの割合は菌体エリシター処理により増加した。この原形質凝集反応はアクチン重合阻害剤サイトカラシンやプロテインキナーゼ阻害剤、カルシウムチャンネルブロッカーの添加により阻害された。2)菌体エリシター処理ジャガイモプロトプラストにおけるモノマーアクチンと重合アクチン量の変動を、アクチン特異的結合能を持つDNaseIの阻害活性測定法により測定したところ、菌体エリシター処理により重合アクチン量が増加した。この増加は先の各種阻害剤により阻害された。これらの結果より、原形質凝集反応にアクチンの重合とタンパク質リン酸化の関与が示唆された。3)アクチン及びアクチン結合タンパク質をジャガイモ懸濁培養細胞よりDNaseIアフィニティクロマトグラフィー等を用いて精製し、43kDa、32kDa、22kDaのタンパク質を得た。これらのN末端アミノ酸配列を決定したところ、それぞれジャガイモアクチン、塩基性キチナーゼ、オスモチン様タンパク質であった。4)この結果は、43kDaと32kDaタンパク質についてアクチン抗体とキチナーゼ抗体を用いたウェスタン解析により支持された。5)アクチン抗体を用いたウェストウェスタン解析及びビオチン化アクチンを用いた解析の結果、32kDaと22kDaタンパク質はアクチン結合能を有し、特に重合アクチンと結合した。これらの結果より、ジャガイモの塩基性キチナーゼとオスモチン様タンパク質が原形質凝集反応に伴い、病原菌の感染部位に移動し、防御反応に関与する可能性が示唆された。
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