研究課題/領域番号 |
07670011
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
藤宮 峯子 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (10199359)
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研究分担者 |
奥宮 清人 高知医科大学, 医学部, 助手 (20253346)
徳永 義光 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90263037)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1996年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 消化管 / セロトニン / セロトニンレセプター / 消化管運動 / 外分泌 / 免疫電顕 / クロモグラニンA / 腸管 / EC細胞 |
研究概要 |
平成7年度から平成9年度にわたって行われた研究で、消化管におけるセロトニン(5HT)含有EC細胞の機能を知る上で以下の重要な知見が得られた。1)5HT放出のコントロール機構として以下のことが判明した。コリン作動性神経が、EC細胞表面のムスカリン受容体を介して放出を刺激し、CCKはコリン作動性神経を介して放出を刺激する。VIPやPACAP含有神経は、EC細胞表面のVIP-2受容体を介して放出を抑制する。またこの抑制反応にはNOが強く関与していることがわかった。また、これらの種々の刺激に反応して主として管腔側へ放出される5HTが影響を受け、血液中に放出される5HTはほとんど影響を受けない。2)放出された5HTの生理作用を調べるために、In vivo十二指腸潅流実験装置で5HTレセプターのアンタゴニストを投与した時の腸管運動の変化を調べた。その結果5HT-3のアンタゴニストが腸管運動を最も強く抑制し、5HT-4の関与は弱く、5HT-1,2はまったく腸管運動を変化させないことがわかった。以下の結果より、EC細胞から放出される5HTは主として5HT-3受容体を介して腸管運動に促進的に働くことが判明した。3)5HTがEC細胞から管腔中に分泌されることが生化学的測定で明らかになったが、細胞レベルでどういう様式で分泌されるのかを免疫電顕的に調べた。まず、腸管の内圧の亢進が5HTの管腔分泌を刺激することを明らかにし、続いて刺激を与えた直後に組織を固定して免疫電顕的に5HTの細胞内局在を調べた。正常動物では5HTはEC細胞の分泌顆粒に一致して局在するのに対し、刺激動物では分泌顆粒外の細胞質にびまん性に局在し、微絨毛にも観察された。この結果より分泌顆粒に蓄えられた5HTは透出分泌的に管腔へ放出されることが明らかになった。以上3年間に行われた研究で、消化管におけるセロトニン含有細胞の分泌に関する詳細な情報が得られた。また分泌された5HTが、消化管運動の制御に重要な役割を持つことも判明した。
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