研究課題/領域番号 |
07670013
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤本 和 京都大学, 医学研究科, 講師 (50159125)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 電子顕微鏡 / 免疫電顕 / 赤血球 / リン脂質 / 生体膜 / 凍結割断レプリカ |
研究概要 |
本年度の研究において、凍結割断レプリカを用いた膜脂質、特にリン脂質の免疫電子顕微鏡法の実際の手技を確立し、細胞膜膜融合に伴う膜リン脂質の動態を検討した。 A凍結割断レプリカを用いた膜リン脂質の免疫染色法の確立 凍結試料の作成:ヒトあるいはマウスの赤血球を液体ヘリウムで冷却した銅ブロックに圧着することによって、急速凍結する。凍結割断と蒸着:凍結割断装置BAF-400T(現有機器)に試料を装着し、凍結割断ならびに白金とカーボン蒸着を行なう。剥離:炭素蒸着終了後、試料を大気中に出し、PBSあるいはその他の生理的緩衝液でレプリカ膜を試料台から剥離する。界面活性剤処理と免疫染色:レプリカ膜を2〜5%SDSで一晩処理することによって、凍結割断されていない細胞膜と細胞質(ヘモグロビン)を可溶化し、洗い流す。P-faceあるいはE-faceに残存したmembrane halvesを種々の膜リン脂質(主としてフォスファチジ-ルコリン,PC)に対する抗体を用いて、免疫コロイド金で標識する。洗浄と回収:レプリカを蒸留水で洗浄後、電顕用グリッドに回収する。観察:電子顕微鏡で観察する。 B細胞膜融合過程の解析 センダイウイルスによる赤血球膜の融合にともなうPCの動態について |方法|1.センダイウイルスをヒト赤血球と4℃、30分間反応させて、血球膜に吸着させる。2.赤血球を遠沈し、37℃で静置し、ウイルスと血球膜の融合ならびに血球膜同士の融合を誘起する。経時的に試料を急速凍結し、上述の方法で形態学的ならびにリン脂質の免疫細胞化学的観察を行う。 |結果|正常ヒト赤血球膜におけるPCの局在を凍結割断レプリカ免疫コロイド金標識法で観察すると、E-faceが選択的に免疫標識されることから、PCが膜の外葉(outermembranehalf)に多く存在することが明瞭に示された。ウイルス感染赤血球においては、PCの免疫反応はE-faceのみならずP-faceにも観察された。この所見から、膜融合に伴い、正常な赤血球膜における膜内葉・外葉間におけるPCの非対称性の分布が乱れることが示唆された。
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