研究課題/領域番号 |
07670015
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
飯野 晃啓 鳥取大学, 医学部, 教授 (50031969)
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研究分担者 |
稲賀 すみれ 鳥取大学, 医学部, 助手 (60116358)
名黒 知徳 鳥取大学, 医学部, 助教授 (50032230)
TANAKA Keiichi SEIREI CHRISTOPHER COLLEG.NURS.
FUNAKI Kenji SHIMANE UNIV.
舟木 賢治 鳥取大学, 医学部, 助手 (90091579)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1996年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 染色体 / 含水試料 / 低真空走査電顕 / クロマチン高次構造 / コイル構造 / 染色体バンド構造 / 冷却ステージ / 白金ブルー染色 / 反射電子像 / 高次コイル構造 / 含水標本 / 反射電子 / 核 |
研究概要 |
本研究では、染色体を細胞から取り出し、固定も脱水もしないで含水状態のまま低真空走査電顕(低真空SEM)で観察し、できるだけ本来の姿に近い状態で染色体の高次構造を解析することをめざした。しかしながら、すでにある装置・方法では観察倍率が数百倍〜千倍程度で、染色体の高次構造を解析するのに必要十分な高倍観察は難しいことが分かった。そのため、先ず、高倍観察のための試料作製技術を開発し、次いで本来の目的とする染色体の観察を行なった。 1.低真空SEMによる高倍観察のための試料作製技術の開発 低真空SEMを所有している田中敬一氏(聖隷クリストファー看護大学)と協力して、白金ブルー染色法およびDMSO前処理と冷却ステージ使用法を開発した。それにより、脱盤絨毛、血管中の赤血球、マクロファージ、HeLa細胞、動物染色体など多くの生物試料を含水状態で観察することに成功した。とくに、HeLa細胞内のミトコンドリアクリスタを低真空SEMで観察(直接倍率2万倍)できたのは世界で初めてのことであった。これらの試料作製技術の開発は、染色体のみならず含水生物試料一般の低真空SEMによる研究方法を発展させることにも貢献した。 2.含水状態での染色体高次構造の観察 本来の目的であった含水状態の染色体高次コイル構造を、固定した培養細胞(チャイニーズハムスター骨髄細胞と肺由来線維芽細胞:CHL)の中期染色体を用いて最高2万倍で立体的かつ明瞭に観察することに成功した。観察の結果、含水状態の中期染色体は、階層的なコイル構造を呈した。 さらに、白金ブルー染色による反射電子のコントラストとして、染色体にバンド様構造が認められ、当初全く予期していなかった染色体バンドの形成機序を電子顕微鏡的に解明する糸口が見つかった。 これら本研究の成果は、染色体本来の構造を示唆する大変興味深いものである。今後さらにこの研究を発展させて、染色体高次構造の全容を明らかにして行きたいと願っている。
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