研究課題/領域番号 |
07670061
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
當瀬 規嗣 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (80192657)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1995年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ヒスタミン / ヒスタミンH_1受容体 / ムスカリン性Kチャネル / チロシンキナーゼ / カルモジュリン / 単離心房筋細胞 / モルモット / パッチクランプ |
研究概要 |
モルモットよりコラゲナーゼ処理により得た単離心房筋細胞を用いて、パッチクランプ法により膜電流を測定した。ヒスタミンを投与してヒスタミンH_1受容体を刺激すると活動電位幅が延長するが、これはH_1受容体刺激によるムスカリン性Kチャネル(K_<Ach>チャネル)の抑制による。このK_<Ach>チャネル抑制作用の細胞内情報伝達系を解明するために、種々のプロテインキナーゼの修飾物質の効果を検討した。ヒスタミンによるK_<Ach>チャネル抑制作用は、Cキナーゼの阻害物質であるH-7やホスホリパーゼCの阻害物質であるNCDCの投与により抑制されず、イノシトールリン脂質代謝系は関与していない。また、8-br-cGMP存在下でもK_<Ach>チャネル抑制作用が観察され、cGMP/Gキナーゼ系の関与も否定される。さらに、セリン/スレオニン残基に結合するリン酸をはずすホスファターゼを抑制するオカダ酸を細胞に処置しても、抑制反応は修飾されず、AキナーゼやCキナーゼ、Gキナーゼなどのセリン/スレオニン・キナーゼの関与は否定された。一方、カルモジュリンの阻害薬であるcalmidazoliumはヒスタミンによるK_<Ach>チャネル抑制作用を消失させた。カルモジュリンはチロシン残基に結合するリン酸をはずすホスファターゼを活性化することが知られている。したがって、チロシン・キナーゼによるリン酸化でK_<Ach>チャネルが活性化され、H_1受容体刺激はカルモジュリンの活性化させ、これによりチロシン・ホスファターゼがK_<Ach>チャネルを脱リン酸化する経路の存在が強く示唆された。現在、Kチャネルとチロシン・キナーゼの関係をより直接的に明らかにするため、カエル未受精卵に心筋Kチャネルとチロシン・キナーゼの遺伝子を導入してその作用を検討中であるが、cRNAの作成に困難があり、今年度中に結論を得ることはできなかった。
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