研究課題/領域番号 |
07670074
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
白井 幹康 国立循環器病センター研究所, 心臓生理部, 室長 (70162758)
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研究分担者 |
松川 寛二 国立循環器病センター研究所, 心臓生理部, 室長 (90165788)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 内因性一酸化窒素 / 外因性吸入一酸化窒素 / 一酸化窒素合成阻害薬 / 肺微小循環 / 肺高血圧症 / 低酸素性肺血管収縮 / モノクロタリン / 肺血管口径 / 急性肺高血圧 / 慢性肺高血圧 / 肺胞性低酸素 / 血管口径 / 吸入一酸化窒素 / L-アルギニン / 肺高血圧 |
研究概要 |
正常肺循環並びに急性及び慢性肺高血圧症における内因性一酸化窒素(NO)の肺血管トーン調節上の意義を調べた。独自に開発したX線テレビシステムをin vivoネコあるいはラット肺に応用し、肺血管で最も血管平滑筋に富む筋性肺小動静脈(100-1000μm diam.)のNO合成酵素阻害時の口径応答を直接計測することで、内因性NOの役割を推定した。ネコ正常肺循環では、肺小動静脈のいずれも恒常的なNO(主に血管内皮の構成型NO合成酵素に由来する)の産生、放出によってbasalな血管口径が調節されており、特に200-700μmの小動脈は強い調節を受けていることが分かった。また、NOによる口径調節の強さが他の代表的な肺血管拡張因子による調節より2倍以上強かったことは、正常肺循環における低血管トーンの維持に、内因性NOは極めて重要であることを示唆した。さらに、外因性NOが200-700μmの小動脈を最大に拡張させたことから、これらの動脈はNOに対し最も高い感受性を持つと推定された。 急性低酸素下ネコ肺循環でも内因性NOの血管拡張作用は維持されており、100-700μmの肺小動静脈に局所的に起こる急性低酸素性肺血管収縮(HPV)に対し、これが過剰にならぬよう(即ち、高度肺高血圧にならぬよう)抑制的に働くことが分かった。外因性NOガスの肺血管への直接作用によってHPVが完全に消失したことは、この結論を支持した。 ラットの慢性肺高血圧症でも内因性NOは口径調節に重要であった。即ち、モノクロタリン(MC)肺高血圧では、高血圧の形成初期(MC投与後3-10日目)において、300μm以上の動脈でのNO拡張作用が増大した。他方、慢性低酸素性肺高血圧では、低酸素負荷2-3週目に、より小さい100-300μmの動脈でのNO拡張作用が増大した。この増大のメカニズムは、慢性低酸素刺激による誘導型NO合成酵素の活性化であり、NOのほとんどが構成型NO合成酵素に由来する正常肺循環での調節機構とは異なった。
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