研究課題/領域番号 |
07670101
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
戸村 秀明 群馬大学, 生体調節研究所, 助手 (70217553)
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研究分担者 |
正 公枝 群馬大学, 生体調節研究所, 教務員 (40201561)
岡島 史和 群馬大学, 生体調節研究所, 助教授 (30142748)
近藤 洋一 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (70008598)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 甲状腺刺激ホルモン / アデノシン受容体 / 三量体G蛋白質 / アデニル酸シクラーゼ / ホスホリパーゼC / クロストーク |
研究概要 |
G蛋白質関連型受容体は細胞膜7回貫通部分を有し、三量体G蛋白質(αβγ)を介して種々のエフェクター系を刺激する。生体中では個々の受容体がG蛋白質を介しそれぞれ異なるエフェクターを制御するという並列的な制御の他に、複数の受容体系の共同作用によって一種類のエフェクター系を制御している場合(クロストーク)もしばしば観察される。我々は甲状腺細胞または甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体とアデノシン(A1)受容体を発現させたCOS7細胞にアデノシンを作用させると単独ではほとんどアデニル酸シクラーゼ(AC)系,ホスホリパーゼC(PLC)系活性を変化させないにもかかわらずTSHによるAC活性化を抑制し、逆にTSHによるPLC活性化を増強することを見出した。またこのアデノシン作用は百日咳菌毒素で遮断されることからGi/Goの関与が推定された。本研究では、これらの知見に基づき、A1受容体とTSH受容体とのクロストークにおける三量体G蛋白質の役割を解析した。結果は以下のとうりである。 1,A1受容体とTSH受容体を発現させたCOS7にさらにG蛋白質β1,γ2サブユニット遺伝子を導入し、βγサブユニットを過剰発現させたところ、TSHによるPLC活性化が顕著に増強された。すなわち、βγを過剰発現した細胞ではTSHのPLC活性化が増強しており、もはやアデノシンの増強作用は観察されない。2,A1受容体とTSH受容体を発現させたCOS7に恒常的に活性化されたGi2αQ205Lを導入した細胞ではTSHによるAC活性化が減弱しており、この場合もアデノシンがさらに抑制作用を発揮することはない。 以上の結果より、A1受容体刺激時に解離したβγが主にTSHのPLC活性化を増強し、一方、αがTSHのAC活性化を抑制することが示された。
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