研究課題/領域番号 |
07670103
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
仁木 一郎 名古屋大学, 医学部, 助教授 (10262908)
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研究分担者 |
渡辺 泰男 名古屋大学, 医学部, 助手 (10273228)
日高 弘義 名古屋大学, 医学部, 教授 (80100171)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | カルシウム結合蛋白 / カルシウムシグナリング / 内分泌 / インスリン / 膵B細胞 / 糖尿病 / カルモジュリン / カルサイクリン |
研究概要 |
本研究の目的である分泌現象に関わるカルシウム結合蛋白質の持つ役割について、平成7・8年度の研究により次のような成果が見られた。 まず、細胞内カルシウムセンサーとして機能するカルモジュリンについては、透過性膵B細胞における検討からこのカルシウム結合蛋白質が分泌過程の上流に働く可能性が示唆された。この上流における分泌調節機構解析のため、位相差顕微鏡による顆粒運動の可視化を試み、その運動評価に成功した。この分泌顆粒の運動観察によって、カルモジュリン依存性のリン酸化がこの運動調節に関係するという直接の証拠が得られた。このミオシン軽鎖のリン酸化にはカルモジュリン依存性蛋白リン酸化酵素であるミオシン軽鎖リン酸化酵素およびCaMキナーゼIIが関与することを示唆する生化学的証拠を得た。すなわち、ミオシン軽鎖のリン酸化の結果として、分泌顆粒が開口放出に適当な場所に運ばれ、分泌の増幅に関与していることが明らかにされた。さらにその選択的な阻害剤を用いた生化学的実験から、共存するカルシウム濃度によってこれらのキナーゼの役割が異なり、どちらも分泌過程におけるカルシウムシグナル伝達を担う重要なメンバーであることが判明した。現在、生理的にはどのような条件下でこの調節機構が働くかを検討している。 また、我々が分泌との関連を発見したもうひとつのカルシウム結合蛋白であるカルサイクリンが分泌のインスリン分泌調節機構については、齧歯類のカルサイクリンを大腸菌に発現させ精製カルサイクリンを得、課題であったマウスカルサイクリンに対する抗体を作製した。この精製カルサイクリンを用いたアフィニティークロマトグラフィーによる結合蛋白の同定は、現在検討中である。一方、このカルシウム結合蛋白の役割をウエスタンブロット法および免疫組織学的手法を用いてこの蛋白が細胞質に局在することを明らかにした。しかし、カルサイクリンのカルシウムシグナリングにおける役割を知るためには生細胞での局在を知ることが必要なので、現在培養膵B細胞を用いて蛍光マーカーとしてGreen fluorescent proteinをカルサイクリンとフ-ジョンさせた蛋白の発現を試みている。
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