研究課題/領域番号 |
07670109
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
小山 保夫 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (80214229)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | amyloid β-protein / 神経毒性 / 膜イオン透過性 / 蛍光プローブ / fluo-3 / ethidium / フローサイトメーター / レーザー共焦点顕微鏡 |
研究概要 |
Alzeheimer病との関連からamyloid β-proteinの細胞毒性が注目されている。しかし、細胞毒性の機序についての解明は十分でない。最近、amylod β-proteinのアミノ酸配列の25-35が神経細胞のイオン膜透過性を亢進させる事が明らかになっている。我々は、amyloid β-protein 25-35の膜の物質・分子の透過性に与える影響をレーザー計測機器と蛍光プローブを利用して検討する事を目的とし、(1)実験手法の開発を行い、(2)その方法を利用して、amyloid β-protein 25-35の細胞毒性について検討を加えた。まず、実験方法の開発であるが、正常な細胞膜では膜を透過しないCaイオン蛍光指示薬であるfluo-3とDNAを染色するethidiumを細胞の内と外にそれぞれ置いた。これにより、正常な膜透過性を有している細胞ではfluo-3蛍光(緑色)のみを有し、ethidium蛍光(赤色)はない。しかしながら、細胞毒性を有する物質(digitonin、methylmercury、tri-n-butyltinなど)を適用すると、fluo-3蛍光の一過性の上昇とそれに続く蛍光の減少、それと同時にethidium蛍光の増強が観察された。これは細胞膜が毒性物質によりfluo-3やethidiumの蛍光プローブを透過させる様な状態、すなわち、細胞膜の物質・分子の透過性が亢進している事(あるいは、膜の選択的な透過性に障害を与えている事)を意味する。さて、この実験システムで、amyloid β-protein 25-35の脳神経細胞に対する細胞毒性を評価すると、(a)一過性の細胞内Caイオン濃度上昇に続き、fluo-3の細胞外への流出とethidiumの細胞内への流入が観察された。(b)この現象は細胞内Caイオン濃度が上昇した神経細胞に著明に起こった。(c)神経細胞と胸腺細胞(リンパ細胞)でこのamyloid β-protein 25-35の作用を比較すると前者に対する細胞毒性が強かった。
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