研究課題/領域番号 |
07670112
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
谷山 紘太郎 長崎大学, 医学部, 教授 (70030898)
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研究分担者 |
山下 樹三裕 長崎大学, 医学部, 講師 (50192399)
片岡 泰文 九州大学, 医学部, 助教授 (70136513)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | アセチルコリン遊離 / インターロイキン-1 / アラキドン酸カスケード / 一酸化窒素 / 壁内神経 / 小腸 |
研究概要 |
モルモット摘出小腸の全層標本及び縦走筋-神経叢標本を用い、^3H-cholineを取り込ませた後、表面潅流装置に懸垂し、1分間に1mlの速度でリンゲル液を潅流した。その潅流液を2分毎に採取し、^3H-アセチルコリン(ACh)量を測定した。 モルモット摘出小腸の全層標本にインターロイキン(IL)-1αやIL-1β1,000pg/mlを適用しても、AChの自発遊離に変化なく、神経刺激誘発ACh遊離に対して、IL-1βは増加させたが、IL-1αでは増加作用はなかった。また、縦走筋-神経叢標本では、IL-1βのACh遊離増加作用は見られなかった。これより、IL-1βは、筋層間神経叢(Auerbach神経叢)以外の部位に作用して間接的にコリン作動性神経に作用すると考えられた。 IL-1βは、時間、濃度依存的に刺激誘発ACh量を増加させ、最大効果は60分の前処置、1,000pg/mlの濃度であった。従って、以下のすべての実験では、1,000pg/mlのIL-1βで60分間前処置という条件を用いた。 20分間熱処理したIL-1βでは刺激誘発ACh遊離量に変化はなく、抗IL-1β抗体とともに37℃、30分間作用させたIL-1βも刺激誘発ACh遊離量に変化はなかった。この結果から、IL-1βの作用はIL-1β受容体を介した作用であると考えられた。 次に、IL-1βとホスホリパーゼA_2阻害剤であるMepacrine5X10^<-6>Mにより、ACh遊離増加作用は消失した。同じく、シクロオキシゲナーゼ阻害剤であるIndomethacin3X10^<-6>Mやリポキシゲナーゼ阻害剤であるNordihydroguaiaretic acid 10^<-4>Mを潅流してもACh遊離増加作用は消失した。この結果から、IL-1βのACh遊離増加作用はアラキドン酸カスケード(シクロオキシゲナーゼ経路とリポキシゲナーゼ経路の両方)が関与していると考えられた。 以上の結果から、炎症性腸疾患などでIL-1βが増加すると、ACh遊離が増加し腸運動が亢進するものと考えられる。
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