研究課題/領域番号 |
07670120
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
村木 篁 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50051446)
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研究分担者 |
小川 哲 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60266715)
藤井 恵美子 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (20075493)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 血管内皮細胞 / 血管透過性 / TNF-α / セロトニン / 一酸化窒素 |
研究概要 |
種々の起炎物質をマウス皮下に投与すると皮下血管の透過性が亢進する。起炎物質は一酸化窒素(NO)の産生を介して血管内皮細胞間の間隙を広げ、血漿を血管外に漏出させる事が考えられる。この可能性を明らかにする目的で、培養血管内皮細胞層を介するアルブミン透過性の研究を行った。ヒト臍帯動脈又はウシ大動脈から内皮細胞を分離し、メンブランフィルター(コスター社トランスウエル)上に培養し、上室に添加したトリパンブルー又はFITC標識アルブミンが下室に移行する速度を測定した。 〔結果〕1.コラーゲンコートした膜は、培養細胞の有無に拘らず、コートしない膜に比しアルブミン透過性が大であり、細胞層を支持する膜の性質(親水性)が、物質透過性に大きい影響を持つことがわかった。2.ヒト血管内皮細胞よりウシ血管内皮細胞が膜よりはがれにくく、物質透過性の実験にはウシ内皮細胞が適していた。3.ウシ内皮細胞層を介するアルブミン透過量は、培養2時間はほぼ直線的に増加し、2時間透過量は膜のみの量のほぼ16%であった。4.上室に起炎物質に加えて、内皮細胞層を介する2時間透過量を測定したところ、セロトニン(10μM)、エンドセリン-1(1μM)、IL-8(100ng/ml)には作用が認められなかった。TNF-α(100ng/ml)は、2時間アルブミン透過量を47%増加した。5.NOの関与を知る目的でNO合成酵素阻害薬、ニトロアルギニンメチルエステルの作用を調べたが、一定の結果が得られなかった。 〔考察〕in vivoで血管透過性を亢進する起炎物質の殆どが、培養内皮細胞を介するアルブミン透過性を亢進しなかった。この差の原因として(1)これら起炎物質が内皮細胞に直接作用しない。(2)培養内皮細胞が血管透過性のモデルとして適当でないなどの理由が考えられる。血管透過性亢進にNOが如何に関与するかNOドナーを用いて研究を続けている。
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