1.ラットおよびブタ脳より、分別遠心分離、EDTA・高塩濃度処理により、Cl^--ATPaseを多く含む膜分画を調整した。これを非イオン性界面活性剤 MEGA-10により可溶化し、MONO-Qカラムクロマトグラフィー、及び、ポリアクリルアミドゲル電気泳動により、Cl^--ATPaseを部分精製した。 2.Cl^--ATPaseは、分子量約500kDaの酸性蛋白であり、高マンノース型糖鎖を結合しているものと考えられる。SDS-PAGEの結果より、主要サブユニットとして、97、64、60、および47kDaのペプチドを同定した。 3.これをウサギに免疫し、酵素活性を部分的に阻害する抗体を得た。この抗体は、60kDaのサブユニットに結合するものであった。 4.上記の結果得られたCl^--ATPaseの主要サブユニットそれぞれについて、N末端アミノ酸配列分析を試みたところ、いずれもいわゆるNブロックの状態であった。 5.以上の結果は、第68回および第69回日本薬理学会総会、第87回日本薬理学会近畿部会、および第15回国際神経化学会議に発表済または発表予定である。
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