研究課題/領域番号 |
07670142
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
早川 美佳 名古屋大学, 医学部, 助教授 (10238090)
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研究分担者 |
小澤 高将 名古屋大学, 医学部, 教授 (80022771)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 心筋症 / ミトコンドリア遺伝子 / 点変異 / 欠失 / 組織酸素化 / アポトーシス |
研究概要 |
我々の研究により、心筋症のかなりの部分がミトコンドリア(mt)DNA変異に基づくmt心筋症であることが明らかとなった。患者の卵細胞由来の点変異は構造遺伝子上のmit^-変異と蛋白合成に関わる遺伝子上のsyn^-変異が知られているが、心筋症を含むmt病患者についてその累積生存率を計算し、syn^-変異がmit^-変異に比し重篤な症状を発現することを証明した。さらに、syn^-変異1つとmit^-変異2つをもち7歳で心臓移植を受けた症例と、同じsyn^-変異1つとmit^-変異1つをもち20歳で死亡した症例との比較から、点変異の効果が相乗的であることを明らかにした。また、心筋症患者においても高齢者と同様の心筋mtDNAの断片化が認められ、複製開始点を欠くminicircleが多数検出された。このmtDNA minicircleは、若年健常者の心筋においても認められた。Chanceによって開発された光ダイオードを用いた近赤外二波長光度計で、健常者・高齢者およびmt病患者の運動時における筋肉組織酸素濃度を非侵襲的に測定したところ、高齢者およびmt病患者において著明な組織の酸素化が証明された。組織酸素化のin vitroモデルとして、ヒト培養細胞を2日間高濃度酸素に暴露したところ、アポトーシスにより細胞は4〜5日で全て死滅し、酸素暴露後3日でmtDNAは187種の欠失によって著明に断裂していた。一方、mtDNAが欠落したp^0細胞は酸素暴露の影響を受けず、mtDNAの断片化が酸素ストレスによるアポトーシスの主因であることが証明された。心筋症を含むmt病患者の組織において酸素化によるアポトーシスが進行していると考えられる。
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