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ガングリオシドの合成経路、発現の改変による神経細胞の分化誘導

研究課題

研究課題/領域番号 07670159
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 医化学一般
研究機関理化学研究所

研究代表者

小島 直也  理化学研究所, 糖遺伝情報研究チーム, フロンティア研究員 (30183338)

研究期間 (年度) 1995 – 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワードガングリオシド / GD3合成酵素 / 分化 / 神経芽腫瘍細胞 / フユシルトランスフェラーゼ / テトラサイクリン / 糖転移酵素遺伝子 / 分子生物学 / シアル酸転移酵素 / 糖転移酵素 / 神経細胞分化 / ポリシアル酸
研究概要

マウス神経芽腫瘍細胞Neuro2a細胞にGD3合成酵素遺伝子を導入すると細胞表面にそれまで発現していなかった糖鎖(GD3,GQ1b)が発現するように変化し、それに伴って細胞の形態も変化することを示してきた。これら糖鎖の発現と細胞の形態の変化との関連を明らかにするために、本研究においては糖転移酵素遺伝子発現および糖鎖の発現の制御可能な系のもとで糖鎖の変化と細胞の形態変化を経時的にとらえることを目的とした。
まず遺伝子発現の制御可能な系の確立した。その結果としてテトラサイクリンを用いる系がすぐれていることが判明した。この系ではテトラサイクリン存在下では遺伝子の発現が抑制されているが、テトラサイクリンを培養液中から取り除くことにより遺伝子の転写が開始される。この系のもとでをNeuro2a細胞中に制御可能な状態でGD3合成酵素遺伝子を導入し遺伝子を発現可能な状態にすると、GD3合成酵素遺伝子の発現そのものは4時間で最大になりその後この発現レベルを維持した。細胞の形態変化は遺伝子の発現後10日後より顕著に始まり20日目まで増加した。そこでGD3合成酵素遺伝子を発現可能な状態にした後4時間、3日、10日、20日目の細胞よりmRNAを調製しディファレンシアルディスプレー法で発現が変化する遺伝子を検索した。その結果少なくとも数種類の遺伝子の発現量がGD3合成酵素遺伝子の発現並びに糖鎖の発現に応じて経時的に増加することを見いだした。現在これらの遺伝子について解析を進めている。
さらに細胞表質層糖鎖の変化が神経細胞の形態や挙動にどの様に関わっているかを調べるためにNeuro2a細胞にフコース転移酵素遺伝子を導入した。この遺伝子導入細胞では主要なガングリオシドがフコシルGM1に変化した。親株が無血清状態でアクソン様の長い神経突起を伸長するのに対し、この細胞は無血清状態でデンドライト様の短い神経突起を多数伸長するようになっていた。この現象は可逆的であり、細胞表層からフコシルGM1を除くことにより親株と同様のアクソン様の突起を伸長するようになった。
これらの結果は細胞表層のガングリオシドが神経細胞の分化や機能に重要な役割を演じていることを強く示唆している。また糖鎖の機能を明らかにする上で糖転移酵素の細胞への導入、特に制御可能な状態での導入が非常に優れた方法であることを示している。

報告書

(3件)
  • 1996 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (15件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (15件)

  • [文献書誌] Hitoshi.S: "Expression of the β-galactoside α1,2-fucosyltranseferase gene suppresses axonal outgrowth of Neuro2a neuroblastoma cells." J.Neurochem. 66. 1633-1640 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Liu.H: "遺伝子発現制御系を用いた糖鎖発現制御への新しい試み," 細胞工学. 15. 765-773 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Liu.H: "Regulated expression system for GD3 synthase gene andinduction of differentiation in Neuro2a cells." Glycobiology. 7. 1067-1076 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hitoshi, S., Kojima, N., Kusunoki, S., Inokuchi, J., Kanazawa, I., & Tsuji, S.: "Exprcssion of the beta-galactoside alpha1,2-fucosyltransferase gene suppresses axonal outgrowth of Neuro2a neuroblastoma cells." J.Neurochem.66. 1633-1640 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Liu, H., Kojima, N., Kurosawa, N., and Tsuji, S.: "Functional analysis of glycoconjugates using tetracycline regulated system (in japanese)." Cell Technol.15. 765-773 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Liu, H., Kojima, N., Kurosawa, N., and Tsuji, S.: "Regulated expression system for GD3 synthase gene and induction of differentiation in Neuro2a cells." Glycobiology. 7. 1067-1076 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kono,M.: "Molecular cloning and expression of a fifth-type of α2,8-sialyltransferase" J.BIol.Chem.271. 29366-29371 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Kojima,N.: "Biosynthesis and Expression of Polysialic Acid on the Neural Cell Adhesion" J.BIol.Chem.271. 22058-22062 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Kojima,N.: "Characterization of mouse ST8Sia II (STX) as a neural cell adhesion molecule-" J.BIol.Chem.271. 19457-19463 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Hitoshi,S.: "Expression of the β-galactoside α1,2-fucosyltransferase gene suppresses axonal" J.Neurochem. 66. 1633-1640 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Hong Liu: "遺伝子発現制御系を用いた糖鎖発現制御への新しい試み" 細胞工学. 15. 765-773 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] N. Kojima: "A Develop mentally Rogulated Member of Sialyltransferase(ST8 SiaII,STx) is a Polysialvc acid Synthase" FEBS Lett.373. 119-122 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] Y. Yoshida: "Molecular Cloning and Characterization of Third Type of N-Glycan α2、8-Sialyltransferase from Mouse Lung" J. Biochem. 118. 685-664 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] Y. Yoshida: "Molecular Cloning of Siaα2,3 Gal β1,4GlcNAc α2,8-Sialy ltransferase from Mouse Brain" J. Biol、 Chem. 270. 14628-14633 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] S. Hitoshi: "Expression of the B-Galactoside α1,2-Fucosy transferase Gene Suppresses Axonnal Outgrowth of Neuro2a Neuroblastoma cells" J. NeuroChem. (in press). (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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