研究課題/領域番号 |
07670169
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
別所 康全 京都大学, 医学研究科, 助手 (70261253)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | グルタミン酸受容体 / 神経細胞死 / ジーンターゲッティング法 |
研究概要 |
グルタミン酸受容体は、神経細胞死に関わる重要な神経伝達物質受容体である。グルタミン酸受容体には、NMDA受容体とAMPA/カイニン酸受容体及びメタボトロピック受容体が存在する。各受容体の神経細胞死における役割を明らかにするために、我々は、ジーンターゲッティング法によってNMDA受容体活性の全くないNR1遺伝子欠損マウスを作製し、そのマウスの神経細胞の初代培養を用いて神経細胞死におけるグルタミン酸受容体の役割を解析した。 NMDA受容体を発現するNR1^<+/+>、NR1^<+/->及びNMDA受容体を発現しないNR1^<-/->マウス胎児よりそれぞれ大脳皮質神経細胞を調製し、グルタミン酸、NMDA、AMPA、カイニン酸に短時間(5分間)及び長時間(24時間)暴露し、暴露開始から24時間の細胞死を測定した。NR1^<+/+>及びNR1^<+/->神経細胞は短時間のグルタミン酸あるいはNMDAの暴露によって細胞死を示すが、NR1^<-/->神経細胞は全く細胞死を示さなかった。一方、上記4種類のアゴニストに長時間暴露すると、NR1^<+/+>及びNR1^<+/->神経細胞は細胞死を起こすが、NR1^<-/->神経細胞はNMDAによる細胞死を示さず、又グルタミン酸、AMPA、カイニン酸の細胞毒性の強さはNR1^<+/+>、NR1^<+/->神経細胞と同程度であった。又NO発生試薬はNR1^<+/+>とNR1^<-/->神経細胞に対して同じ強さで細胞死を引き起こすが、NR1^<+/+>とNR1^<-/->神経細胞を等量混ぜた培養係でNMDAは選択的にNR1^<+/+>神経細胞の細胞死をもたらした。以上の結果は、1.急性のグルタミン酸の細胞死にはNMDA受容体が選択的にかかわること、2.緩徐に引き起こされるグルタミン酸の細胞死は、AMPA/カイニン酸受容体がかかわること、3.NMDA受容体刺激によって遊離するNOは少なくとも培養系ではNMDAの神経細胞死に関与していないことを示す。
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