1.移植片の組織形態 移植片はマウス真皮間質組織と皮筋膜の存在し、移植片の境界は比較的明瞭であった。また移植片の問質は移植前組織のものに比べ全体的にエオジン染色が弱く、筋線維組織の減少が見られたが炎症細胞浸潤は見られなかった。さらに腺管上皮は単屑または2層性の構造をとり、移植前組織と比較して明瞭な差異はなかつたが、腺管の萎縮・数の減少が見られるものもあった。 2.DNA合成能 上皮細胞100循当たりのDNA合成細胞の数をホルモン処理による3種のグループ間で比較すると、去勢、去勢+Tp(テストステロン)+Flu(フルタミド)、去勢+Tpの順に少なく、去勢+Tpに比べて去勢処理グループのDNA合成の割合は外腺で48%、内腺で66%の低下が見られ、去勢+Tp+Flu処理グループでは外腺で30%、内腺で46%の低下が見られた。また同じホルモン処理グループでの内腺と外腺を比較してみると、去勢処理グループでは内腺は外腺に比べて28%低下、去勢+Tp処理では内腺は外腺に比べて10%増加、去勢+Tp+Flu処理グループでは内腺は外腺に比べて14%低下していた。 3.テネイシン発現量 肉腺と外腺で比較するとすべてのホルモン処理グループにおいて内腺は外腺に比べテネイシンの発現量が多く、グループ間で比較すると内腺は去勢・去勢+Tp+Flu処理グループは去勢+Tp処理グループよりも発現量は多かつた。一方、外腺は去勢、去勢+Tp、去勢+Tp+Fluの順に発現量が多かつた。
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