研究課題/領域番号 |
07670228
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
池田 仁 北海道大学, 医学部, 助手 (20232192)
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研究分担者 |
脇坂 明美 北海道大学, 医学部, 助教授 (90113646)
吉木 敬 北海道大学, 医学部, 教授 (60220612)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | レトロウイルス / ヒト内在性レトロウイルス / 組み換え蛋白 / 単クロン抗体 / 遺伝子発現 / 自己抗原 / 自己免疫疾患 / 発現誘導 |
研究概要 |
ヒト内在性レトロウイルスの生物学的および病理学的意義を明かとすることを目標に、本研究では1コピー型ヒト内在性レトロウイルスHERV-R(ERV3)のenv領域のopen reading frameを大腸菌発現ベクターpET22bに組み込み、組み換え蛋白を作製、これをマウスに免疫することによって抗HERV-R env単クロン抗体(1B7)を作製した。この抗体はHERV-R mRNA高発現臓器である胎盤や本研究で高発現臓器である明かとした副腎、副腎皮質腺腫で約170kDaおよび180kDaの分子と反応したが、Northernレベルで発現の確認されない褐色細胞腫では反応性は見られなかった。また、この抗体は種々のHERV-R mRNA高発現培養細胞と高い反応性を示し、HERV-Rの遺伝子産物を認識していると考えられ、HERV-Rの一部は蛋白まで翻訳されている可能性を支持した。一方、HERV-R env組み換え蛋白は一部のSLE患者血清と高い反応性を示し、HERV-R env領域の遺伝子産物が自己抗体の標的分子のひとつとなっている可能性が示唆された。HERV-R mRNA高発現臓器であることが判明した副腎ではその皮質での発現がin situhybridizationで確認され、胎盤以外での正常組織における特異的高発現細胞の存在を明かとした。さらに、一部の培養正常細胞におけるサイトカインによるHERV-R発現誘導が可能なことが明かとなった。以上、本研究でヒト内在性レトロウイルスHERV-R遺伝子産物に対する単クロン抗体の作製に成功するとともに、HERV-Rの正常組織での発現様式や自己抗原となりうること、さらにその発現の誘導が可能なことを明かとした。
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