研究課題/領域番号 |
07670229
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
小川 勝洋 旭川医科大学, 医学部, 教授 (50045514)
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研究分担者 |
斉藤 義徳 旭川医科大学, 医学部, 助手 (70241429)
李 康弘 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (10261405)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
400千円 (直接経費: 400千円)
1996年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | p53 / UV / H‐ras / マウス不死化肝細胞 / H-ras / マウス / 肝細胞 / 染色体不安定化 |
研究概要 |
正常細胞はDNA障害を受けると細胞増殖を一時的に停止させてDNA修復に必要な時間を稼ぐ能力を備えている。したがって、もし、この機能が失われると細胞は障害を持ったままDNAを複製するため、染色体異常や突然変異を生じやすくなり、細胞癌化の原因となりうる。このような遺伝子不安定性を防止する機能の一つとして、p53、p21^<Cipl(WAFl)>、cdk,Rbなどが関与するGl arrestが知られている。しかし、このようなcell cycle checkpoit能が多段階発癌の中で起こるか否か、さらにp53を含むシグナル伝達のどの異常によるのかはわかっていない。マウスの初代培養肝細胞では長期培養を続けると自然に不死化細胞が出現し、さらにこれに活性化ras遺伝子を導入すると可移植性悪性形質転換細胞が得られる。したがって、この系を用いることにより、共通にマウス肝細胞のbackgroundを持つ正常、不死化、悪性形質転換細胞についてDNA障害後のcell cycle checkpoint 機能の比較が可能である。我々のこれまでの研究では正常から不死化の段階ではcell cycle checkpoint能は維持されているが、H‐ras形質転換細胞では著しく低下していることが明らかになった。すなわち、正常、不死化、H‐ras形質転換細胞ではいずれも正常p53遺伝子を有しており、UV照射後、核内にp53が過剰発現した。一方、正常、不死化肝細胞ではUV照射後Gl arrestに陥ったが、H‐ras形質転換細胞ではp53が発現したにもかかわらずGl arrestは見られなかった。 本年度は (1)発現調節が可能なvectorに活性化H‐ras遺伝子を組み込み、不死化肝細胞に導入し、H‐ras形質転換細胞株を作製した。これにより活性化H‐rasの発現が直接的にGl arrest能の喪失に関わっているか否かの検討が可能になった。 (2)マウス肝癌細胞株、H‐ras導入不死化細胞株についてUV照射後の生存能を比較し、H‐rasの活性化によりUV耐性になることを明らかにした。
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