研究課題/領域番号 |
07670260
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
谷野 幹夫 (1996) 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (60135051)
太田 隆英 (1995) 金沢医科大学, 医学部, 講師 (10152141)
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研究分担者 |
達家 雅明 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (50216991)
太田 隆英 金沢医科大学, 医学部, 講師 (10152141)
谷野 幹夫 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (60135051)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 癌転移 / 癌遺伝子 / ras / src / 形質発現クローニング / 細胞運動 / 初期発生 / メタロプロテアーゼ / がん転移 / 転移遺伝子 / Neural crest cell / Bdb / c 3T3 A31 / expression cloning |
研究概要 |
BALB/c 3T3 A31-1-1細胞をrasでトランスフォームした細胞(1-1ras1000、造腫瘍性は高いが転移能はきわめて低い)は遺伝子導入によって転移関連遺伝子の検索を行なえる有用な細胞系である。ヒト癌細胞由来のゲノムを用いることにより、この検索細胞から転移能を受容細胞に付与する活性のあるDNA断片を回収することに成功した。この断片の7割の領域の塩基配列を現在までに決定し終えている。また、1-1ras1000細胞、あるいはその親株であるA31-1-1細胞はsrcでトランスフォームすると造腫瘍性と同時に転移能も獲得した。すなわち、Rasでは転移形質発現のスイッチがオンにならないが、Srcではオンになるということを見い出した。Srcが関与する細胞内シグナル伝達カスケードが転移形質発現には、深く関与することが予想された。また、srcでトランスフォームした転移性の細胞では、転移関連遺伝子として知られる膜結合型メタロプロテアーゼ(MT-MMP)の蛋白発現や活性が亢進していることを見い出し、Srcが関与する転移形質発現の細胞内シグナル系解明への糸口を切り開いた。 一方、発生過程での細胞移動や組織構築をモデルとした転移機構の解析を進めたところ、マウス発生過程で運動能の非常に高いニューラルクレスト細胞において細胞移動に伴いMT-MMP発現が観察され、やはり蛋白レベルでの発現制御が存在することが明かとなった。生体内細胞移動現象への分子生物学的アプローチの可能性に道を開いた。
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