研究課題/領域番号 |
07670263
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
荻生 俊昭 (萩生 俊昭) 放射線医学総合研究所, 第5研究グループ, 総合研究官 (40106183)
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研究分担者 |
渡邊 文晶 放射線医学総合研究所, 第5研究グループ, 科学技術特別研究員
西村 まゆみ 放射線医学総合研究所, 第5研究グループ, 研究員 (70218204)
島田 義也 放射線医学総合研究所, 第5研究グループ, 主任研究官 (10201550)
石井 洋子 放射線医学総合研究所, 第5研究グループ, 主任研究官 (70159672)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | SCIDマウス / 免疫不全症 / 放射線感受性 / DNA損傷修復能 / 放射線発がん / 発がん感受性 / 胸腺リンパ腫 / DNA依存性プロティンキナーゼ / scidマウス / 急性放射線障害 / 急性障害 / LD_<50(30)> / 造血細胞 / 培養線維芽細胞 |
研究概要 |
scidマウスは免疫不全を有すると共に放射線感受性が高く、ヒトの末梢血管拡張性運動失調症(AT)に類似した症状を示す。そのscidマウスを使い、放射線感受性と発がん感受性の関連性を解析することを目的とした。まず、scidマウス、C.B-17マウスおよび交雑初代(F1)マウスで放射線感受性の検討を行った。全身一回照射の結果、放射線照射後30日以内に50%の動物が死亡する線量は、scidマウス、C.B-17マウスおよびF1マウスで各々、4.1Gy、6.5Gy、7.0Gyであった。また、同一の致死線量を照射されたC.B-17マウスとF1マウスの比較では、F1マウスは有意に生存日数が短かかった。各々の系統の骨髄細胞を用い放射線感受性を調べた結果、C.B-17マウスとF1マウスの細胞はscidマウスの細胞に比べると放射線感受性はかなり低かったが、F1マウスの細胞はC.B-17マウスの細胞に比べ、有意に放射線感受性が高かった。即ち、scidヘテロマウスではscidホモマウスに比べると遙かに放射線感受性は低いものの野生型マウスよりは感受性が高いことが示された。次に放射線による発がん性を検討した。γ線の照射を受けたscidマウスでは胸腺リンパ腫の発生が高率であったが、C.B-17マウスおよびF1マウスでは低く、C.B-17マウスとF1マウスの間では差はなかった。即ち、胸腺リンパ腫の発生に関しては、放射線感受性と発がん感受性に関連性が見られたが、scidヘテロの効果は見られなかった。また、胸腺リンパ腫誘発剤、エチルニトロソ尿素をscidマウスに投与したが、胸腺リンパ腫の発生率は必ずしも高くはなかった。発生したリンパ腫の細胞表面抗原の解析では、CD4,CD8は共に陽性で、正常scid胸腺細胞に比べ分化した形質を示した。scid遺伝子産物、DNA依存性プロティンキナーゼの活性は、脾臓、肝臓、腎臓に比べ胸腺で高かった。その他の臓器の腫瘍の発生に関し、放射線感受性と発がん感受性に相関が有るか否かについては、今後の解析が必要である。
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