研究課題/領域番号 |
07670265
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
福田 貢 (財)東京都老人総合研究所, 分子生物学部門, 助手 (30100126)
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研究分担者 |
石川 直 (財)東京都老人総合研究所, 分子病理部門, 研究員 (30184485)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | nm23 / NDPキナーゼ / NDPキナーゼαアイソフォーム / NDPキナーゼβアイソフォーム / 癌転移抑制遺伝子 / 肺自然転移の抑制 |
研究概要 |
nm23/NDPキナーゼは癌転移抑制遺伝子であると示唆されているが、そのメカニズムは未だ解明されていない。そこで、nm23/NDPキナーゼの転移抑制機構を明らかにするため、Rat mammary adenocarcinoma 13762NF由来の高転移性MTLn3細胞にラットNDPキナーゼαまたはβcDNAを導入した。導入遺伝子をPCR法で確認した後、ベクター導入細胞(対照)および比較的みNDPキナーゼ活性の高いαまたはβ導入細胞各々2株をFisher344雌ラットの乳肪脂肪組織に移植した。その結果、αまたはβの導入は造腫瘍能とリンパ節転移能に影響を与えなかったが、αの導入は肺転移頻度と肺への転移コロニー数を減少させることが明らかになった。移植部位の腫瘍組織NDPキナーゼ量は壊死と赤血球の混入のため信頼できる結果が得られなかった。NDPキナーゼαによる肺転移抑制メカニズムを明らかにするため転移関連諸性質を検討した。Wound healing法による細胞運動能およびフィブロネクチン、ラミニンへの接着能は対照とα導入細胞間で有意差が無かったが、β導入細胞は対照に比べて細胞運動能およびフィブロネクチンへの接着能が低下していた。gelatin zymographyでは、約80kのゼラチナーゼ活性は対照とα、β導入細胞で違いが無かった。一方、約60kのゼラチナーゼ活性は対照に比べてα、β導入細胞で低下していた。以上の結果からラットNDPキナーゼαとβアイソフォームとは異なる生理機能を有している可能性が示唆された。しかし、α導入細胞に特異的な変化が認められず、α導入による肺転移抑制機構解明にはさらに別の転移関連性質を検討する必要が生じた。そこで、invasion chamberを用いたinvasion activityやヒト臍帯静脈血管内皮細胞への接着・侵潤能を検討したが、用いた細胞がchamber裏面に付着しにくいため定量性に問題があり、現在信頼できる定量法を検討している。
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