研究課題/領域番号 |
07670280
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
多田 功 九州大学, 医学部, 教授 (60064531)
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研究分担者 |
古賀 正崇 九州大学, 医学部, 講師 (80136449)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1995年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | ネズミ糞線虫 / 第3期幼虫 / 体内移行 / ケモタキシス |
研究概要 |
ネズミ糞線虫感染型幼虫(L_3)がどのような機構でラットのターゲット臓器に到達するかを解明するためケモタキシスと移行経路を検討した。1)まずin vitroの実験ではアガロース寒天平板上で幼虫はラット、モルモット、牛、ブタ、ハムスターの血清(50%v/v)に顕著な集積を示し、牛血清では濃度に比例して幼虫集積性は低下した。次にCentricon10を用いて透析血清中蛋白と無機質分離を行いテストしたところ、10KDa retentateには顕著な集積性を示した。逆に10KDa filtrateでは著しい低下が認められた。この低下は0.85%NaCLを添加するとほぼ同じレベルまで回復した。更にL_3はアルブミンに対してラット血清と同等の集積性を示したが、集積性は濃度に比例した。3.5%の透析ペプトン、トリプトース、トリプトン、還元型グルタチオンの中ではペプチン類3種に対し集積性を示した。ネズミ糞線虫L_3は哺乳動物の血清蛋白に集積性を示すが、分子量が小さくなるに従って低下し、アミノ酸や小さなペプチドには全く反応しないことが明らかとなった。2)in vivoにおけるネズミ糞線虫L_3のラット頭部内移行とその経路を可視的に観察するため、オートラジオグラムを行った。L_1を糞便内のステージで^<35>S-methionineをもってラベルし、4日間培養して得たL_33,000個体をラットに皮下注射で投与した。24-26時間後に感染ラット頭蓋部を液体窒素で凍結して各方向の割断面にX-線フイルムを密着させ、10日間冷凍庫中に放置し、フイルムを現像した。その結果、ラベルされたL_3に対応するドット分布は以前私達が観察した区域(Tada et al、1979)に見られ、この寄生虫の頭部移行を確実に示した。
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