研究概要 |
わが国では患者から分離されるグラム陽性桿菌の大部分はcoryneform細菌としてまとめられ報告されてきたが、この中にはCorynebacterium層以外のグラム陽性桿菌が多数存在するため一般細菌検査では属名の決定ができないまま放置されてきた。われわれは同定不明のグラム陽性桿菌としてこれまで国内外から収集して保存してきた菌株を新しい分類学的方法で解析し、記載する研究を行ってきた。特にDNA/DNAハイブリド形成法と16SリボソームRNAの配列を使ってこれらの菌株の分類学的位置を決定する作業をすすめてきた。そのなかで迅速発育型抗酸菌とCorynebactriumに焦点を当てて研究を行った. 1.Mycobacteriumの中でM.avium complexと同定されるが菌種名が特定できない菌群34株のシークエンスを行った所M.scrofulaceum,M.interjectum,M.simiaeがこの中から同定された.さらにどの菌種にも属しない菌種が17株存在し新しい菌種である可能性が出てきた. 2.Coryneformを属でベルで同定するDNAプローブを開発した.さらにジフテリア菌、C.jeikeiumを同定するブローブを開発しCorynebacterium属の重要な菌種を特定する方法を作成した.
|