研究概要 |
Epstein-Barrウイスル産生時においてウイルスゲノムはローリングサークル型複製様式によって複製される。このDNA鎖伸長に関わるウイルス蛋白質はDNAポリメラーゼ複合体,一体鎖DNA結合蛋白質,DNAヘリカーゼ/プライマーゼである。平成7年度においてはEBVSSB(EBV-本鎖DNA結合蛋白質)をウイルス産生細胞により精製しその生化学的性質及びEBV DNAポリメラーゼとの相互作用について検討した。 (1)EBVSSBはBALF2遺伝子がコードすることが知られている。EBVB95-8株よりゲノムDNAを調整しBALF2 ORFをクローニングし大腸菌で発現精製後ウサギに免疫し抗EBVSSB抗体を得た。 (2)EBVウイルス産生状態を誘導したB95-8細胞核抽出液から抗EBVSSB抗体を用いたウエスタン法で各種カラムを通してEBVSSBを精製した。精製されたBALF2蛋白質は分子量130Kでありゲル濾過の解析から溶液中ではmonomerとして存在することが示唆された。 (3)EBVSSBは二本鎖DNAよりも一本鎖DNAに優先的に結合することがcompetitive filter binding assayから明らかになった。 (4)Singly primed M13ssDNAを用いたEBV DNAポリメラーゼアッセイ系にBALF2蛋白質を添加する系においてEBVSSBはBALF5ポリメラーゼcatalyticサブユニットのprocessivityを著しく促進させた。
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