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インフルエンザウイルスによる宿主mRNAのプロセシング阻害

研究課題

研究課題/領域番号 07670352
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 ウイルス学
研究機関日本大学

研究代表者

清水 一史  日本大学, 医学部, 助教授 (50004677)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワードウイルス学 / 分子生物学 / インフルエンザウイルス / 転写 / HSP70 / mRNA成熟 / ポリA部位切断 / RNAプロセシング
研究概要

目的と意義:我々はインフルエンザウイルス感染細胞で2.4-10kbの大きさのHSP70遺伝子の転写産物が核内に蓄積することを発見した。本研究ではポリA部位を跨ぐプローブを作製してRNaseプロテクション試験を行い、この長い転写物がポリA部位下流の配列を持った通過転写物であるか否か調べた。
材料と方法:ウイルスはインフルエンザA/Udorn/72株を、細胞はイヌ腎由来細胞株MDCKを用いた。
結果:(1)MDCK細胞DNAをEco RIで消化し、Eco RIカセットを連結して行ったカセットPCRにより、HSP70mRNAの3'端539bとポリA部位の下流配列57bを含む596bの遺伝子断片が得られた。この断片の3'端190bを鋳型にしてリボプローブを作製して、RNase T1を用いたプロテクション試験を行った。
(2)ウイルス感染3時間目に亜ヒ酸ナトリウムを加えHSP70の誘導を開始し、さらに3時間培養を続けた後に細胞を核と細胞質に分画してRNAを抽出した。核内RNAでは通過転写物に対応する190bバンドと正常mRNAに対応する139b及び149bバンドの3本のプロテクトバンドが見られた。非感染対照細胞では正常mRNAが圧倒的で通過転写物は19%であったが、ウイルス感染細胞では通過転写物が82%に増えていた。
(3)細胞質RNAでは感染、非感染ともに正常mRNAがほとんどであった。
考察:ウイルス感染によりポリA部位の下流配列を含む転写物の比率が増えることが示され、感染細胞に蓄積する2.4-10kbの長いHSP70転写物はポリA部位通過転写物であることが証明された。真核細胞のpre-mRNA3'末端のプロセシング反応は通過転写物のポリA付加部位での切断と数百塩基のアデニンの付加である。得られた結果はインフルエンザウイルス感染細胞では宿主mRNAのポリA付加部位での切断が阻害されることを示す。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書

URL: 

公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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