研究課題/領域番号 |
07670358
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
|
研究機関 | 国立予防衛生研究所 |
研究代表者 |
佐藤 威 国立予防衛生研究所, ウイルス製剤部, 主任研究官 (00221284)
|
研究分担者 |
榎並 正芳 金沢大学, 医学部, 助教授 (30168794)
小浜 友昭 国立予防衛生研究所, ウイルス製剤部, 室長 (70150183)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 麻疹ウイルス / 赤血球凝集素 / バキュロウイルス |
研究概要 |
麻疹ウイルスのH及びF蛋白質はウイルス感染に際し感染防御抗原として重要である。我々はこれまでに、これら蛋白質の構造解析等を目的として研究を進め、ウイルス粒子よりある種の蛋白分解酵素を用い、HA活性を損なう事なくH蛋白質を可溶化しうる事を示した。本研究では、バキュロウイルスベクターを用い、組換え体分泌型H及び蛋白質を大量に発現する事を目的とした。麻疹ウイルス豊島株のcDNA上で、H及びF遺伝子の細胞質及び膜貫通ドメインを除き、さらにH蛋白質に対してはインフルエンザウイルスA/Japan株(H3亜型)HA蛋白シグナル配列を含む16残基をつないだ。PCRによって増幅したDNA断片をバキュロウイルスベクターのポリヘドリンプロモーターの下流に挿入し、野生型バキュロウイルスのDNAと共に昆虫細胞にトランスフェクションし組換え体バキュロウイルスを得た。 ウイルス感染細胞には麻疹ウイルスに対する抗H及び抗F単クローン抗体で免疫沈降する分子量70Kと40Kの組換え体H及びF蛋白質が検出された。次に、パルス標識したこれら蛋白質をチュースしその挙動を解析すると、H蛋白質は徐々に培養液中に検出され、チュース4時間目で標識されたH蛋白質の約20%、さらに24時間では80%が培養液中へ分泌された。一方、F蛋白質では、培養液中に分泌されるが、すぐに分解されるためかF蛋白質の減少が見られた。以上の結果より組換え体バキュロウイルスの作成のために用いた、インフルエンザウイルスのHA蛋白のリーダーSequenceは分泌型H蛋白質を大量に回収する手段として有効であった事が示された。さらに、本年度は分泌型H蛋白質を大量に回収するために抗体を用いたアフィニテイクロマトグラフィとゲルろ過クロマトグラフィによって精製を行った。この性状を調べると分子量70Kのモノマーであった。また、赤血球凝集活性を示さなかった。
|